令和6年中小企業省力化投資補助金は、従来のカタログ注文型に加えて、一般型が令和7年に新設されます。令和7年度の補正予算案の概要が発表され今年も予算額3,000億円と中小企業向けの補助金では大規模なな実施が予定されています。
補助金の申請受付は、令和7年3月~4月頃の予測ですが、新設される申請枠は、オーダーメイドでの投資案件であり、公募要領が公表されてから準備を進めたのでは申請期限に間に合いません。事前に補助金について理解しておくことが重要です。
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中小企業省力化投資補助金の概要
中小企業省力化投資補助金の目的は、人手不足に悩む中小企業を支援し、省力化や効率化を通じて生産性向上を促進させ、従業員一人あたりの付加価値額の増加や賃上げを実現し、企業の持続的成長をサポートすることを目指しています。
背景
「中小企業省力化投資補助金」は、労働力の減少とそれに伴う人手不足の課題に対応するために創設されました。中小企業がIoTやロボット等の省力化設備を導入することで、業務の効率化と生産性の向上を図り、労働力不足の影響を軽減することを目的としています。これにより、企業の競争力を強化し、持続可能な成長を支援します。
中小企業省力化投資補助金の対象事業者
- 人手不足の状態にある中小企業や小規模事業者
- 事業終了後1~3年で付加価値額を増加させることができる事業者
また、付加価値額に関しては、事業終了後で従業員1人あたり、年平均3%以上の増加が見込める事業計画を策定する必要があります。
なお、付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」によって算出されるものを指します。
中小企業省力化投資補助金の対象外となるケース
みなし同一法人・みなし大企業・補助金の重複・資本金や従業員数等の変更は対象外となるため注意が必要です。
令和6年度中小企業省力化投資補助金の主な変更点
予算額
令和5年度1,000億円(中小企業省力化投資補助事業)
令和6年度3,000億円。
中小企業省力化投資補助金で新たに一般型が追加
令和6年度(2025年)から新たに「一般型」という枠組みが設けられる予定です。
従来は「カタログ方式」で、登録されたカタログ製品の中から、自社に合った省力化製品を選択する必要がありました。省力化や省人化につながる設備投資をしたくても、カタログに自社に合った製品がなく、「使いづらい」という指摘がありました。
一般型では、カタログに登録されていなくても「このような製品を使いたい」という形で、各企業が申請できるようになる予定です。
中小企業省力化投資補助金の補助額と補助率
中小企業省力化投資補助金の補助額は、従業員数に応じて以下のように定められています。
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 200万円(大幅な賃上げを行う場合:300万円) | 1/2 |
6~20人 | 500万円(大幅な賃上げを行う場合:750万円) | 1/2 |
21人以上 | 1000万円(大幅な賃上げを行う場合:1500万円) | 1/2 |
例えば、従業員20名の企業が生産性向上のために500万円のロボットを導入した場合、補助率1/2のため、最大250万円まで補助金を受けることができます。
さらに、大幅な賃上げを行う従業員21名以上の企業に対しては、最大1,500万円の補助金が交付されます。ただし、大幅な賃上げがどの程度を指すのかについては、次の項で詳しく解説します。
大幅な賃上げの基準について
大幅な賃上げの基準は以下の2つの条件が定められています。
- 事業所内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
- 給与支給総額を年率平均6%以上増加させること
上記の2つを申請時に宣言することで、「大幅な賃上げ」として上限額が引上げされます。ただし、申請する前に従業員にも賃上げする計画を発表しておかなければいけません。万が一従業員に表明していない場合は補助金の返還が求められるため注意してください。
中小企業省力化投資補助金のメリット
生産性向上と人手不足の解消
従業員負担の軽減
事業計画の明確化
賃上げの実現
中小企業省力化投資補助金の期間と申請期日
中小企業省力化投資補助金の申請開始時期は現時点で未定です。申請開始時期が決まり次第、中小企業基盤整備機構のホームページにて発表される予定です。
公募は、令和8年度の9月末までの約2年半の期間で、15回程度(年間約6回)の頻度で実施される予定です。資料の準備が多いため、前もって検討しておくことで、急な公募情報にも対応できます。
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