製函工程は、製造業・物流業を問わず多くの現場で日常的に行われている作業です。
しかし、多くは人手に頼った運用が続いています。それにより、作業負担や人手不足、品質のばらつきといった課題をが多く見られます。
こうした課題に対し、近年注目されているのが製函の自動化です。
本記事では、製函工程が抱える現場課題を整理したうえで、現在どのような自動化手法があるのかを分かりやすく解説します。
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製函機とは?

製函機は、ケースフォーマーとも呼ばれ、ダンボールを自動で組み立ててくれる機械です。
また、製函機は、主に次のような動作を行っています。
- 折りたたまれたダンボールを持ち上げて開く
- 下面4面を折り曲げる
- 下面を粘着テープやホットメルト接着剤・ステープルなどで止める
手動の箱組作業を製函機で取って代わることにより、高速な箱組み作業が可能であり、作業時間の短縮に貢献します。それにより、梱包業務・物流業務を大幅に効率化し、品質向上やトータルコスト削減にも貢献できるシステムです。
製函機と封函機の違い

封緘機(ふうかんき/封函機)は、テープ貼り機・ケースシーラー・カートンシーラーとも呼ばれ、段ボールケースの上蓋(フラップ)を閉じて封函する機械です。
段ボールを組み立てる機会が製函機、一方封函機は、段ボールケースに蓋をする機械です。
製函工程における課題

段ボール箱の製函作業は、多くの製造・物流現場において欠かせない工程です。
しかし、箱を広げ、底を折り、テープや糊で固定する作業の多くが、人手に依存しています。
製函工程は、いまだ人手に頼る作業が多い
製函作業は一見シンプルですが、
- 単純作業の繰り返しによる作業者の負担
- 人手不足によるライン停止リスク
- 作業者ごとの品質ばらつき
といった課題を抱えやすい工程でもあります。
特に近年は、労働人口の減少や現場の高齢化により、「作業者を確保できない」「属人化を解消したい」といった声が多く聞かれるようになりました。
今後、課題となる人手による製函作業

総務省が公開している今後20年間で現役世代の65歳以上割合が約40%に達することが分かります。
また、これに伴い従来人が行っていた作業は人手不足により続けられなくなります。作業者の負担だけでなく、採用コストや人件費も上がり続けると予測されています。そのため、徐々にこうした作業では採算が合わなくなってくることが予想されます。
製函機の種類(半自動製函機と全自動製函機の違い)
全自動製函機と半自動製函機は、自動化レベル・処理能力・運用スタイルに明確な違いがあります。
大量生産ラインで安定した処理を求める場合は全自動製函機、品種替えが多く柔軟性を重視する現場では半自動製函機が適しています。
以下に、現場選定で比較されやすいポイントを整理しました。
| 項目 | 全自動製函機 | 半自動製函機 |
|---|---|---|
| 自動化の範囲 | シート供給~製函~底貼りまで全自動 | シートセット~製函~底貼り(人の補助が必要) |
| 作業者の動き | 段ボールの補充のみ(マガジンへの積載) | 箱を広げてセット、手で押し込む作業が発生 |
| 処理速度 | 速い(大量生産向き) | 遅い~中速(小~中規模向き) |
| 導入コスト | 高い | 低い |
| 設置スペース | 大きい | 小型・コンパクト |
| 得意な運用 | 同一サイズの大量梱包 | 多品種・少量梱包、頻繁なサイズ変更 |
半自動製函機とは

段ボールのセットまでは手作業ですが、折り込みやテープ貼りなどを機械が行います。作業効率を大幅に向上できるため、中小規模のEC事業者で導入が進んでいます。
全自動製函機とは

段ボール供給から組み立て、底貼りまで全自動で行います。大量出荷を行う大規模倉庫や工場に適しており、初期投資は高額ですが、省人化効果は絶大です。
製函機を導入するメリット

製函機はメーカーや機種によって仕様に違いはあります。しかし、共通している最大の特長は段ボールを高速かつ安定して製函できる処理能力にあります。
この処理能力により、製函工程だけでなく、梱包・物流全体に様々なメリットをもたらします。
① 梱包作業の自動化・省人化
段ボールの製函作業は、手作業で行うと時間と労力がかかる工程です。
全自動製函機を導入することで、箱の組み立てから供給までを自動化でき、作業者の負担を大幅に軽減できます。
その結果、
- 製函作業に必要な人員の削減
- 人手不足によるライン停止リスクの低減
- 同一時間内での生産量増加
といった効果が期待でき、現場全体の生産性向上につながります。また、上流装置や積み付け作業の自動化も併せて行いやすくなります。
② トータルコストの低下
省人化による人件費削減は、製函機導入の分かりやすい効果のひとつです。
加えて、機械による製函は常に一定品質で行われるため、作業者の熟練度による品質ばらつきやミスが起こりにくくなります。
これにより、
- 段ボールの組み立て不良や資材ロスの削減
- トラブル対応や手直し作業の削減
- 梱包品質の安定による顧客満足度向上
といった副次的な効果も生まれ、結果として物流業務全体のトータルコスト低減が期待できます。
③ 省スペース・省資源化
製函機を導入すれば、必要なタイミングで必要な数の段ボールを製函する「オンデマンド供給」が可能になります。
そのため、事前に段ボールを大量に作り置きする必要がなくなり、工場や作業場のスペースを有効活用できます。
また、必要分のみを製函できることで、
- 余剰在庫の削減
- 段ボール廃棄の抑制
にもつながり、省資源・環境負荷低減の観点からもメリットのある取り組みといえます。
最新製函機メーカーと主要シリーズ
2026年現在市場はますます多様化しており、製函機の選定には現場に合った製品求められます。
以下では、導入実績・技術力・シリーズ展開の豊富さに定評のある注目メーカーを順に紹介していきます。
積水化学工業
ワークメイト23 全自動製函機

毎分15ケースの製函処理能力を持つ全自動高速製函機。タッチパネル採用で快適な操作性を実現し各種警報・予報装置も標準装備。
| 項目 | ワークメイト23 | ワークメイト21MM | ワークメイト21H | ワークメイト22 |
|---|---|---|---|---|
| 処理可能サイズ(ダンボールサイズ)※組み合わせによっては不可 | L:220〜550mm W:150〜400mm b:170〜550mm | L:150〜400mm W:100〜250mm b:125〜400mm | L:200〜450mm W:150〜300mm b:175〜450mm | L:220〜550mm W:150〜400mm b:170〜550mm |
| 最大処理能力 | 約15ケース/分 | 約20ケース/分 | 約10ケース/分 | 約15ケース/分 |
| ケース積込枚数※シングル1枚10mm換算 | 85枚 | 55枚 | 100枚 | 60枚 |
| 機械サイズ | L:1,830mmW:1,830mmH:1,628mm | L:1,426mmW:1,356mmH:1,700mm | L:2,612mmW:2,103mmH:1,628mm | L:1,830mmW:1,730mmH:1,482mm |
ストラパック
StraPack 調整型全自動製函機 AF-5NS

設置スペースは2メートル四方を下回る省スペース設計の製函機です。また、本製品以外にも、特注製品のラインナップもございます。
- 段ボールシートをストックするマガジン部には最大50枚(シングル)のストックができます
- 特注で約270枚まで増やせます
- 製函能力は最大で12ケース/分(720ケース/時)
- 搬送ミス、テープ残少、開口ミス、シート無し、排出満杯などの安全制御が搭載されています
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 機械寸法 | 全幅:1,846mm 全長:1,936mm 全高:2,078mm |
| 機械質量 | 約650kg |
| ケースサイズ | 幅:140~400mm 高:65~350mm 長:200~500mm |
| テープ幅 | 36~50mm(OPP、クラフト)※下貼りのみ |
| テープ折り返し | 50mm |
| 処理能力 | 最高12ケース/分※ケースサイズにより異なります |
ダイオーエンジニアリング
A式ケース全自動製函機 DB-205N

自動で段ボールを組み立て、空箱を作ります。直角補正機構が付いているため綺麗に製函できます。また、常用720ケース/時間の高速製函が可能なため、作業効率が向上します。
さらに、タッチパネルにはエラー内容が写真付きで表示されます。それにより、エラー発生時の対応を迅速に行うことができ、メンテナンスが簡単です。
| 項目 | 単位 | 内容 |
|---|---|---|
| 本体寸法(W×D×H) | mm | 1660 × 2020 × 1750 |
| 重量 | kg | 600 |
| 処理能力 | 箱/h | 720 |
| 対応物(W×L×H)サイズ | mm | 150~400 × 250~600 × 50~500 |
| 電源 | AC100V/5A | |
| エアー | NL/min | 350(0.5MPa) |
iCOM技研株式会社
協働ロボットで製函からワークの投入、封函まで1台で可能なシステムになります。また、下記動画はデモ稼働です。実際の処理速度と乖離がありますがご了承ください。
iCOm技研では、製函封函、積み付けまで1貫したシステム提案が可能です。
iCOM技研による導入サポート|製函自動化の「壁」を取り除く
協働ロボットの導入に不安がある方でも、iCOM技研による以下のサポート体制で安心です。
- 使用目的に合ったモデル選定のコンサルティング
- 導入前の実機デモ・テストで効果を可視化
- ロボット操作教育、安全指導まで含めた現場立ち上げ支援
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弊社では協働ロボットを中心とした様々なメーカーを取り扱っております。また、最適なロボット選定からシステム開発・立ち上げまで一貫してご支援可能です。
パレタイジングに関するお問い合わせ・相談お待ちしております。
「自社にも自動化を」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
