トレーラーのコンテナから荷物を下ろす「デバンニング」は作業者の身体的負担が大きく、物流業界では肉体的負担の大きな作業の人材不足が深刻です。
加えてコスト・荷下ろし効率の改善要求に対し、人作業では限界が見えてきています。そこで、新たな解決策として注目を浴びている自動化システムがMMR、通称モバイルマニピュレーターロボットになります
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デバンニングとは

コンテナからの荷下ろしをデバンニング(デパレタイズ)と呼びます。1日中、重量物を運ぶため、かなりの重労働になります。また、後工程のパレットに荷物を積むパレタイズ作業も同様に重量物の作業となります。
デバンニングの定義
デバンニング(Devanning)とは、輸送用コンテナ(主に海上コンテナ)から貨物を取り出す作業のことを指します。海外からの輸入貨物は、国際海上輸送などで大量のコンテナに積載されます。そのコンテナを港湾施設や倉庫などで開封し、中の貨物を倉庫やトラックなどに移し替える工程が「デバンニング」です。英語で「Devanning」は、コンテナから荷物を“取り出す”という意味合いが含まれています。
引用元:【デバンニングとは?荷下ろしと違うの?】輸入の“要”となる現場作業をDX化で効率アップする方法
デバンニング作業における現状の課題
- 作業者の負荷が高い→例:重量物持ち上げによる怪我や熱中症のリスク
- 若い労働者の採用・定着が困難→労務コスト等、間接経費増
- 物量による作業量の変化、非効率な待ち時間の発生
デバンニング作業の自動化が加速する背景

業界間で二極化する導入状況:物流業界16%(グローバル平均48%)
日本の物流業界は世界に比べ導入状況が16%とかなり低い。物流の中でもデバンニングは作業負担が大きく離職が起こりやすい作業。このことから、今後10年で作業員採用が困難になることが予想される。加えて、企業価値向上のため、働きやすい職場環境を実現する観点からも今後も導入企業が増えると予想されます。
モバイルマニピュレーターロボット(MMR)とは

モバイルマニピュレーターロボットとは簡単に言うと「移動+ピッキングできるロボット」になります。自律走行ロボット(AMR/AGV)にロボットアームを搭載し、「移動」「作業(把持・搬送等」を同時に行うことが可能です。
MMRのデバンニング能力
デバンニング能力:複数個把持ハンド使用の場合、1時間に300~MAX600ケース程1コンテナを2時間程度で荷下ろしできるイメージになります。ライン全体の能力アップには後工程の自動化も必要になります。
MMRメーカー
MMRを日本国内で販売しているメーカーは現在2社となります。※弊社調べ
XYZ Robotics Rocky One
国内実績が増えている中国メーカー。ロボットはFANUC製。海外含め実績豊富。
川崎重工業 Vambo
ロボットが自社製(川崎重工業)、MMR以外も実績豊富。
今後の展望
デバンニングは現状の作業者採用・定着の観点から、今後一気に自動化が進むと思われます。他社との差別化には物流工程全体の効率を上げる後工程(パレタイズ)自動化が鍵となります。
デバンニング作業の自動化の流れ

1.デバンニングを人の手で行っている。 自動化検討はこれから。

2.デバンニングの自動化 パレタイズのみ人が行う。

3.デバンニング・パレタイズ自動化 デバンニング能力に応じてパレタイズも効率化
iCOM技研ではデバンニングから後工程のパレタイズ(コンベアからの荷積み)までライン全体でのご提案が可能です。また、協働ロボットを採用することで産業用ロボットに比べコンパクトなライン構築が可能となります。
パレタイズライン導入事例
協働ロボットパレタイザーライン納入事例(本田味噌本店様)
まずはシミュレーションから
「自社の荷物で本当に自動化できるのか?」
そんな不安をお持ちの方も、iCOM技研なら安心です。
箱のサイズ・重量・品種情報をお送りいただければ、実機を用いたパレタイジングシミュレーションが可能です。
- 実データに基づいた検証で、導入効果を事前に確認
- 単なる装置提案ではなく、現場に即した自動化プランをご提案
- 協働ロボットの操作指導・立ち上げ支援までワンストップで対応
iCOM技研では、ユニバーサルロボットをはじめとする各種ロボットメーカー製品を取り扱い、用途や作業環境に応じた最適なシステムをご提案します。
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参考文献:
・日経クロステック 「丸紅ロジスティクスがコンテナ荷下ろし自動化 つくばの拠点で、中国XYZ Roboticsのロボ導入」
・川崎重工業 Vambo
・XYZ Robotics
