世界トップシェアを誇る協働ロボットメーカー「ユニバーサルロボット」。
そのユニバーサルロボットが2025年に新たに投入した完全新機種「UR15」。これまでのURシリーズとは一線を画す、最速・高性能モデルとして注目を集めています。そのほかにも、UR7eやUR12eといった新たなモデルも発表されました。
本記事では、協働ロボットの特徴や強みに加え、最新の製品ラインナップと可搬重量について紹介します。また、今後の導入における有力な選択肢として、その可能性を詳しく解説します。

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ユニバーサルロボットとは?
ユニバーサルロボットは、協働ロボットを生み出した企業です。同社の協働ロボットは世界中の製造現場に導入されており、市場シェアは世界1位となっています。また、保有する特許も数多く、65件に上ります。
同社は「Empowering People」という行動理念を掲げており、環境保全や労働環境に対する責任を全うすることをはじめ、SDGsに合致したクリーンな企業経営を貫く姿勢をはっきりと示しています。
ユニバーサルロボットの特徴
ユニバーサルロボットは、すべてダイレクトティーチングとタッチパネル操作に対応しています。そのため、初心者でも簡単にプログラミングが可能です。
また、同社は開発環境を公開しており、ニーズに合わせてシステムを作り込むことが可能です。
さらに、ISO 10218-1やISO/TS 15066に準拠した安全機能を備えています。そのため、安全柵なしでも作業可能なケースも多くあります。
ユニバーサルロボット製品ラインナップ
機種名 | 可搬重量 | 最大TCP速度 | 位置繰り返し精度 | リーチ長 |
---|---|---|---|---|
UR3e | 3 kg | 1 m/s | ±0.03 mm | 500 mm |
UR7e | 7.5 kg | 4 m/s | ±0.03 mm | 850 mm |
UR12e | 12.5 kg | 4 m/s | ±0.05 mm | 1300 mm |
UR15 | 15 kg(17.5 kg)* | 5 m/s | ±0.05 mm | 1300 mm |
UR16e | 16 kg | 1 m/s | ±0.05 mm | 900 mm |
UR20 | 20 kg(25 kg)* | 2 m/s | ±0.1 mm | 1750 mm |
UR30 | 30 kg(35 kg)* | 2 m/s | ±0.1 mm | 1300 mm |
UR3e

- 可搬重量:3 kg
- 最大TCP速度:1 m/s
- 動作半径:500 mm
- 据付面積:直径128 mm
- 本体重量:11.2 kg
特徴
ユニバーサルロボットの最軽量モデルで、本体重量11kg余りの卓上型小型協働ロボットです。また、すべてのジョイントが±360°回転する上、末端のジョイントは無限回転が可能です。そのため、軽量物の組立やねじ締め作業に適切です。
UR7e

- 可搬重量:7.5 kg
- 最大TCP速度:4 m/s
- 動作半径:850 mm
- 据付面積:直径151 mm
- 本体重量:20.6 kg
UR7eは、UR5eの後継機種として新たに登場したモデルとなります。
そのため、UR5から可搬重量と標準TCP速度が向上しています。また、UR5eは、UR7eの登場により置き換わる形で販売終了しました。
項目 | UR5e | UR7e | 変更点・特徴 |
---|---|---|---|
可搬重量 | 5 kg | 7.5 kg | 2.5 kg増加(+50%):中量作業への対応力が向上 |
標準TCP速度 | 1 m/s | 4 m/s | 4倍高速化:サイクルタイム短縮・スループット改善に貢献 |
特徴
動作半径が最大850mmあり、手の届く範囲での作業を自動化可能です。これにより、他の生産工程に作業者を振り向けて効率を向上させることが可能になります。
UR12e

- 可搬重量:12.5 kg
- 最大TCP速度:4 m/s
- 動作半径:1300 mm
- 据付面積:直径190 mm
- 本体重量:33.5 kg
UR12eは、UR10eの後継機種として新たに登場したモデルとなります。
そのため、UR5から可搬重量と標準TCP速度が向上しています。また、UR5eは、UR7eの登場により置き換わる形で販売終了しました。
項目 | UR10e | UR12e | 変更点・特徴 |
---|---|---|---|
可搬重量 | 12.5 kg | 12.5 kg | ―(同一) |
標準TCP速度 | 1 m/s | 4 m/s | 4倍高速化:サイクルタイム短縮・スループット改善に貢献 |
特徴
12.5kgの可搬重量と1,300mmのロングリーチを備えています。そのため、汎用性の高い協働ロボットと言えます。 マシンテンディング、パレタイジング、パッケージングなどの自動化に向いています。
UR15

- 可搬重量:15 kg(条件付き最大17.5 kg)
- 最大TCP速度:5 m/s
- 動作半径:1300 mm
- 据付面積:直径204 mm
- 本体重量:40.7 kg
特徴
UR15は、UR12eやUR30と同等の「動作半径1300 mm」を維持しながら、
「最大可搬重量17.5 kg」「最大TCP速度5 m/s」という驚異的なスペックを実現した新モデルです。
また、従来のモデルとは異なり、UR15は1から設計された完全新開発ロボット。
特に、速度・可搬重量・堅牢性の全てを高水準で両立しており、「高負荷」「高速」「省スペース」というニーズを持つ現場に最適です。
UR16e

- 可搬重量:16 kg
- 最大TCP速度:1 m/s
- 動作半径:900 mm
- 据付面積:直径190 mm
- 本体重量:33.1 kg
特徴
16kgの可搬重量があるため、重量のあるエンドエフェクタを取り付けることも可能。さらに、1回のピックで複数の部品を持ち上げられるため、タクトタイムを削減して作業効率を向上させます。
UR20

- 可搬重量:20 kg(25kg)
- 最大TCP速度:2 m/s
- 動作半径:1750 mm
- 据付面積:直径245 mm
- 本体重量:64 kg
特徴
動作半径はシリーズ最長の1750mmを誇り、遠く離れた位置へのアクセスが可能。さらに、20kgの可搬重量を生かし、大型ワークの搬送やパレタイジングなどに最適です。
UR30

- 可搬重量:30 kg(35kg)
- 最大TCP速度:2 m/s
- 動作半径:1300 mm
- 据付面積:直径245 mm
- 本体重量:63.5 kg
特徴
UR30は、35kgの可搬重量に対応した高出力モデルです。そのため、複数のグリッパーを同時に扱うマシンテンディングや、重量物のパレタイジングなど、高負荷用途をカバーする性能を持ち合わせています
よくある質問
可搬重量を向上させるために何が必要?
このアップデートは、追加費用なしで利用でき、URのPolyScopeソフトウェアをバージョン5.19以降に更新するだけで完了します。PolyScopeはユーザーフレンドリーなインターフェースを持ち、ロボットの設定やプログラミングを容易に行うことができます。これにより、オペレーターは短時間で新しい機能を活用できるようになります。
導入時にサポートを受けられますか?
はい。URアカデミーという無料のeラーニングコンテンツが用意されており、初心者でも導入から運用まで学ぶことができます。さらに、iCOM技研では、実機を用いたロボットスクールの受講が可能です。 また、弊社のユニバーサルロボット社認定トレーナーが講師を務めますので安心して導入していただくことが可能となっております。
ユニバーサルロボットに共通する特徴は何ですか?
URシリーズの協働ロボットは、すべてダイレクトティーチングとタッチパネル操作に対応しており、初心者でも簡単にプログラミングが可能です。また、ISO 10218-1やISO/TS 15066に準拠した安全機能を備えており、安全柵なしでも作業可能なケースも多くあります。