協働ロボットとファーロボティクスによる航空機の整備・リペア領域にも広がっています。
特に注目されるのが「研磨 自動化」や「航空機 塗装剥離 自動化」です。これまで人の技能に頼ってきた難しい工程が、ロボットに置き換えられ始めています。
その象徴となる出来事が、FerRobotics(オーストリア)による「Cell Evolution Contest」です。初開催となる本大会で、日本の川崎重工業グループが見事に優勝しました。
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川崎重工プロジェクトの意義
今回の受賞は単なるイベントにとどまりません。
MRO(整備・修理・オーバーホール)分野における自動化の実証でもあります。
- 高度な作業をロボット化
- セル構成により段階的な導入が可能
- 薬品使用削減と作業者負担軽減
つまり、航空機整備における「技能依存からの脱却」が本格的に始まったのです。
受賞ツール「ファーロボティクスAOK 501」とは

AOK 501は、FerRoboticsの代表的な研磨ツールです。その最大の特長は、独自の ACT®(Active Compliant Technology) にあります。
ACT®は対象物の形状に合わせて押し付け力を自動調整します。
これにより、複雑な曲面や広大な面積でも均一な仕上がりを実現します。
- 曲面でも一定の品質を確保
- 協働ロボットに容易に搭載可能
- 薬品使用を減らし、環境負荷も低減
つまり、AOK 501は「人の技能を数値化し、安定的に再現する」ツールなのです。
航空機塗装剥離の課題

航空機の塗装剥離は長年にわたり人の手で行われてきました。
しかし、現場には多くの課題があります。
- 安全性:粉じんや有害薬品による健康リスク
- 品質:人の感覚に依存するため再現性が低い
- 効率:広い機体表面を人力で作業するため非効率
つまり、この工程は整備のボトルネックになっていました。
一方で、塗装剥離は均一な力制御が必須であり、自動化が難しいとされてきました。
ファーロボティクスこれまでの受賞実績

今回の受賞はFerRoboticsにとって初めてではありません。
同社の技術はすでに世界中で高い評価を得ています。
- 2024年:Robotics & Automation Awards「Manufacturing Innovation Award」受賞
Aerobotixと共同開発した ATK(Active Taping Kit) が表彰。 - 2022年:オーストリア国家イノベーション賞「ECONOVIUS」ノミネート
400件以上の応募から最終候補5件に選出。 - 2024年:Automate Innovation Awards(米国)ノミネート
北米最大級の自動化展示会でATKが選出。 - 2023年:中国SAIC Volkswagen「Service Star Award」受賞
サービス品質と信頼性が高く評価。 - 2024年度:蘇州ロボット産業協会「Robot Product Technology Innovation Award」受賞
ATKとAAK がダブル受賞。中国市場でも存在感を示した。
これらの実績は、FerRoboticsの技術が業界標準になりつつある証拠です。
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参考文献-Ferrobotics