「中小企業省力化投資補助金カタログ型の徹底解説|補助率・要件・申請の流れ」

「中小企業省力化投資補助金カタログ型の徹底解説|補助率・要件・申請の流れ」

お役立ち情報 2025.09.11

この度、弊社の協働ロボットパレタイザー「パレタイザーR」が中小企業省力化投資補助金 カタログ型に掲載される運びとなりました。

そこで、本記事では中小企業省力化投資補助金カタログ型について詳しく解説していきます。

中小企業省力化投資補助金<カタログ型>とは?

省力化投資補助金<カタログ型>は、製品カタログに掲載された省力化設備を導入する制度です。これにより、簡易で即効性のある省力化投資を促進します。

その結果、中小企業等の付加価値額や生産性の向上を図り、賃上げにつなげることを目的としています。

申請は、中小企業省力化投資補助金のウェブサイト上で公開されている製品カタログから商品を選択して行います。

一方で、本補助金は既存事業の省力化を支援するものです。
そのため、製品カタログに掲載されている製品の導入を検討する事業者にとって、とても活用しやすい制度といわれています。

補助金の重複受給に注意

次に、重複受給の注意点です。
以下のいずれかに該当する場合は留意してください。

  • ①「ものづくり補助金」の交付決定から10か月未満の事業者
  • ②過去3年間で2回以上「ものづくり補助金」の交付決定を受けた事業者
  • ③「事業再構築補助金」に採択され、同補助対象事業の設備を本事業で導入する事業者
  • ④「観光地・観光産業における人材不足対策事業」で設備投資の交付決定、または申請中の事業者
  • ⑤「IT導入補助金」と補助対象経費は異なるが、同一または類似の事業内容である場合
  • ⑥その他の補助金や診療報酬、介護報酬、FIT制度など、国庫・公的制度との二重受給に該当する場合

応募要件について

応募要件について

省力化投資補助金<カタログ型>へ申請する場合には、いくつかの要件を満たす必要があります。

具体的には、

  • 人手不足の状態にあること
  • 労働生産性が3%以上向上する計画を策定すること
  • 設備投資金額が50万円以上の場合は保険契約に加入すること

人手不足の状態にあること 

「人手不足の状態にあること」については、下記のいずれかを満たす必要があります。ただし、④の場合は特例扱いであるため、審査期間が非常に長期間となる可能性があります。

①直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えていること

直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えていることです。

具体的には、交付申請時点の直近月の残業時間が30時間超であることです。
一方で、省力化設備を導入する部署だけでなく、全従業員の残業時間が対象です。
この要件に該当しない場合は、次の②を確認してください。

②前年度と比較して従業員数が5%以上減少していること

次に、整理解雇によらない離職や退職によって、従業員数が前年度比で5%以上減少していることです。
具体的には、交付申請月と前年同月を比較し、従業員が5%以上減少していることです。決算時点の比較ではありません。また、従業員数×5%を計算し、端数が出た場合には切り上げとなります。

なお、常時使用する従業員でない者が主体の事業者は、総労働時間で代替することも認められています。

③採用活動を行い求人を掲載したものの充足には至らなかった

3つ目の応募要件は、「求人媒体を活用した採用活動を行ったものの、人材が充足していないこと」です。

さらに、直近1年以内に求人媒体やハローワークで採用活動を行ったにもかかわらず、人手が充足しない状態であることです。
ただし、自社のホームページに掲載した採用ページは認められません。

その証明として、求人広告やハローワークに掲載した際の求人票やサイトのキャプチャを提出します。

④その他、省力化を推し進める必要に迫られている

①から③に該当しない場合には、「省力化を推し進める必要に迫られている理由」を説明することにより、申請することが可能です。

ただし、冒頭にお伝えした通り、審査期間が長期となる恐れがあります。

労働生産性が+3.0%以上向上する計画を策定すること

補助事業終了後の3年間、労働生産性を年平均成長率+3.0%以上向上させる事業計画を策定する必要があります。

労働生産性の式は以下です。
(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数

設備導入による減価償却費の増加、生産性向上等による利益の増加、賃上げなどを行うことで労働生産性を向上させる計画を策定する必要があります。
なお、故意・過失が原因で労働生産性が未達となった場合には、補助金の返還が求められる可能性があります。

保険への加入

取得する省力化製品に対する補助金額(導入経費を含む)が500万円以上となる場合です。
補助金額以上の保険金額を対象とする保険または共済への加入が必須です。

実績報告の際には、保険加入を示す書類の提出が必要です。
加入形態は自由で、設備単体でも企業包括保険でも認められます。

※補助金額が500万円未満の場合においては、保険への加入が必須ではありません。ただし、強く推奨されています。

賃上げ要件は?

省力化投資補助金<カタログ型>については、2025年1月時点においては、賃上げ要件はありません。

ただし、大幅な賃上げが達成できる場合には、補助金額の上乗せ措置が設けられています。(詳細は次章で解説します。)

省力化投資補助金<カタログ型>の補助率、補助金額は?

省力化投資補助金<カタログ型>の補助率、補助金額は?

補助率は一律1/2、補助金額は最大1,000万円

省力化投資補助金の補助率は一律1/2です。補助金額は従業員数によって異なります。

もし、大幅な賃上げが行える場合には、( )内の金額に、補助金額の上限が上乗せされます。ただし、大幅賃上げが未達となった場合は、差額分を返金する必要があります。

従業員数補助金額上限補助率
5名以下200万円(300万円)1/2
6~20名500万円(750万円)
21名以上1,000万円(1,500万円)

大幅な賃上げを行う場合は補助上限額の引き上げ措置あり!

事業実施期間中に大幅な賃上げが行う場合には、補助上限額の引き上げ措置があります。

具体的には、交付申請時点の直近月と比較して、①事業場内最低賃金を45円以上増加させること、②給与支給総額を+6.0%以上増加させることの双方を、補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定した場合です。

従業員数補助金額上限
5名以下300万円
6~20名750万円
21名以上1,500万円

①事業場内最低賃金を+ 45 円以上増加

事業場内最低賃金とは、補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金を指します。
設備を導入する事業場で一番賃金の低い方を、時給換算で+45円以上増加させる必要があります。

②給与支給総額を+ 6.0%以上増加

給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)に支払った給与のうち、所定内給与のみを指します。役員報酬、賞与、福利厚生費、法定福利費及び退職金は含みません。

他の補助金と算出方法が異なるため、注意が必要です。

なお、従業員がいない場合は賃金引き上げ目標の策定ができないため、申請できません。

大幅な賃上げが未達成となった場合は?

自己の責によらない正当な理由なく、賃上げの目標を達成できなかった場合には、補助金額が減額されます。

賃上げを実施しなかった場合の金額が補助金額の上限となります。
なお、本目標を達成するために報告対象期間のみ賃金を引き上げ、実績報告以降に賃金を引き下げることは認められません。
正当な理由なく、効果報告時点での給与支給総額又は事業場内最低賃金が実績報告時点の値を下回っていた場合には、補助金の返還が求められる場合があります。

省力化投資補助金<カタログ型>の「補助対象経費」は?

省力化投資補助金<カタログ型>の「補助対象経費」は?
<カタログ型>の「補助対象導入経費」は?

省力化投資補助金<カタログ型>の補助対象経費は、省力化製品の「製品本体価格」と「導入経費」です。

まず、製品本体価格については、単価50万円以上でなければなりません。
さらに、導入経費については、製品本体価格の2割までの金額が補助対象となります。

補助対象経費 ①製品本体価格

製品本体価格は、製品カタログに事前登録されている価格を上限に申請することができます。

製品本体価格は、製品カタログに事前登録されている価格を上限に申請できます。
この価格は、省力化投資補助金のウェブサイト内の製品カタログページに掲載されています。

また、補助対象となるのは、補助事業のために使用される機械装置や工具・器具です。さらに、これらと一体として用いられる専用ソフトウェアや情報システムの購入、または借用に要する経費も含まれます。

一方で、購入に係る製品本体価格は単価50万円以上が条件です。
なお、原則として置き換えとなる製品は申請できません。

補助対象経費 ②導入経費

導入経費は、省力化製品の設置作業や運搬費です。また、動作確認の費用やマスタ設定など、導入設定費用も対象です。

ただし、補助対象となるのは製品本体価格の2割までです。

省力化投資補助金<カタログ型>のスケジュールは?

省力化投資補助金<カタログ型>のスケジュールは?

省力化投資補助金<カタログ型>は令和8年9月まで通年で公募されています。本章では、補助金の申請から効果報告までのスケジュールについて解説します。

省力化投資補助金<カタログ型>の公募期間は?

省力化投資補助金<カタログ型>は令和8年9月まで通年で公募されています。

ただし、今後、省力化投資補助金<一般型>が新設されるため、省力化投資補助金<カタログ型>の公募スケジュールについても見直しされる恐れがあります。また、予算消化次第終了となりますので、早めに申請することをお勧めします。

省力化投資補助金<カタログ型>の全体の流れ

省力化投資補助金<カタログ型>の補助金申請から効果報告までの全体のスケジュールは下記の通りです。
設備の発注は、交付決定後に行わなければなりません。
また、補助金は入金されて終了するのではなく、効果報告の提出が必要です。

省力化投資補助金<カタログ型>の全体の流れ

補助金の申請までの流れ

まずは補助金の申請までの流れを解説します。本補助金は、販売業者と一緒に申請を行います。電子申請にて申請するため、GビズIDの取得が必要です。

①GビズIDの取得

補助金の申請は電子申請で行うため、GビズIDの取得が必要です。もし、GビズIDをお持ちでない方は、GビズIDの作成ページからIDを作成しましょう。(GビズIDの作成ページ

GビズIDは会社で1つのIDとなります。もし、過去に補助金や行政の手続きのためにGビズIDを取得している場合には、そのIDが利用できます。

②製品選択~マイページ開設

省力化投資補助金のウェブサイト内の製品カタログから、省力化製品を選択して、販売業者と連絡を取ります。省力化投資補助金<カタログ型>は、販売業者と一緒に申請を行います。
販売業者からの交付申請用のマイページの招待URLが送られるため、マイページを開設します。
販売業者からのマイページの招待URLの有効期限は7日間ですので、招待が届いたら早めにマイページを開設しましょう。

③書類準備・事業計画策定

申請書類は、直近2期の決算書の他に、法人の場合には過去3期分の課税所得の明細書が必要です。
人手不足の状態を示す書類については、選択内容によって提出する書類が異なりますので注意が必要です。
事業計画については、人手不足の状況や、労働生産性の向上など本事業により期待できる効果を策定します。
労働生産性の向上については、交付申請時と比較して年平均成長率+3%以上向上させる計画の策定が必要です。
「公募要領」だけでなく、「申請における留意事項」も確認しながら準備を進めましょう。

④交付申請

書類の準備や事業計画の策定が完成すると交付申請となります。電子申請にて手続きを行います。
交付申請後1~2か月で交付決定・不交付決定が通知されます。

補助金採択(交付決定)後~効果報告までの流れ

①交付決定~補助金入金

省力化投資補助金<カタログ型>は、採択されると同時に交付決定となります。交付決定が下りれば、設備の発注が可能となります。また、交付決定事業者を対象とした動画視聴テストがあります。
設備の導入を行い、設備代金の支払いが完了すれば実績報告が行えます。
実績報告では、設備導入経費の支払に関する証憑書類の提出や、設備導入による効果の報告を行います。
実績報告後の確定検査が終了すると、補助金の入金となります。

②効果報告

補助金入金後は、効果報告として3年間の報告が必要です。
主な報告内容は、①省力化製品の稼働状況、②事業計画の達成状況(省力化の効果・賃上げの実績)です。
直近の決算書を提出します。
効果報告の提出時期については、事務局が定める期限とされており、事務局から連絡が届きます。

FAQ(よくある質問)

Q:中小企業省力化投資補助金 カタログ型の補助率は?
A:補助率は一律1/2で、補助金額は最大1,000万円です。

Q:賃上げ要件は必須ですか?
A:2025年1月時点では必須ではありません。ただし達成すれば補助上限が増額されます。

Q:中小企業省力化投資補助金の申請にはどのような準備が必要ですか?
A:GビズIDの取得、製品選択、決算書類の準備、労働生産性向上計画の策定などが必要です。

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