封函工程は、製造業・物流業を問わず多くの現場で日常的に行われている作業です。
しかし、多くは人手に頼った運用が続いています。それにより、作業負担や人手不足、品質のばらつきといった課題をが多く見られます。
こうした課題に対し、近年注目されているのが封函の自動化です。
本記事では、封函工程が抱える現場課題を整理したうえで、現在どのような自動化手法があるのかを分かりやすく解説します。
目次[]
封函機とは?
封函機は、箱詰め後の段ボールを自動で閉じ、封をするための機械です。
主に、内容物が投入された後の段ボールケースに対して、フラップ(フタ)を閉じ、粘着テープなどで確実に封を行います。
また、封函機は、主に次のような動作を行っています。
- 上下面のフラップ(フタ)を自動で折り込む
- 段ボールの中央部に粘着テープを貼り付ける
- 必要に応じて高さ・幅に追従しながら封函を行う
手作業で行っていたフタ閉じ・テープ貼り作業を封函機に置き換えることで、安定したスピードと品質での封函作業が可能となります。
これにより、作業者の負担軽減や人手不足対策につながるだけでなく、
テープの貼りズレや封不良といった品質のばらつきを抑え、梱包工程全体の効率化・コスト削減に貢献します。
封函機は、製函機と組み合わせて使用されることも多く、
製函〜封函までを一連の自動ラインとして構築できる点も大きな特長です。
製函機と封函機の違い

封緘機(ふうかんき/封函機)は、テープ貼り機・ケースシーラー・カートンシーラーとも呼ばれ、段ボールケースの上蓋(フラップ)を閉じて封函する機械です。
段ボールを組み立てる機会が製函機、一方封函機は、段ボールケースに蓋をする機械です。
封函工程における課題

段ボール箱の封函作業は、製造業・物流業を問わず、多くの現場で欠かせない工程です。
内容物を箱に詰めた後、フタを閉じ、テープで固定する作業は、出荷前の最終工程として重要な役割を担っています。
しかし、その作業の多くはいまだに人手に依存した運用が続いているのが実情です。
封函工程は、いまだ人手に頼る作業が多い
封函作業は一見すると単純な作業に見えますが、
- フタ閉じ・テープ貼りを繰り返すことによる作業者の負担
- 人手不足による処理能力の低下やライン停止リスク
- テープの貼りズレや浮きなど、作業者ごとの品質ばらつき
といった課題を抱えやすい工程でもあります。
特に近年は、労働人口の減少や現場の高齢化が進み、
「封函作業に人を割けない」「誰が作業しても同じ品質を保ちたい」といった課題意識が、現場で強まっています。
こうした背景から、封函工程の自動化・省人化が、現場改善の重要なテーマとして注目されるようになっています。
今後、課題となる人手による封函作業

総務省が公開している今後20年間で現役世代の65歳以上割合が約40%に達することが分かります。
また、これに伴い従来人が行っていた作業は人手不足により続けられなくなります。作業者の負担だけでなく、採用コストや人件費も上がり続けると予測されています。そのため、徐々にこうした作業では採算が合わなくなってくることが予想されます。
封函機の種類~半自動封函機と全自動封函機の違いについて~
封函機には、大きく分けて全自動封函機と半自動封函機の2種類があります。
両者は、自動化レベル・処理能力・運用スタイルにおいて明確な違いがあります。
大量出荷ラインで安定した処理能力を求める場合は全自動封函機、
品種替えが多く、作業の柔軟性を重視する現場では半自動封函機が適しています。
以下に、現場で比較されやすいポイントを整理しました。
全自動封函機と半自動封函機の比較
| 項目 | 全自動封函機 | 半自動封函機 |
|---|---|---|
| 自動化の範囲 | フラップ折り~封函(テープ貼り)まで全自動 | フラップ折り補助~封函(人のセットが必要) |
| 作業者の動き | 段ボールの投入・排出の確認のみ | 箱のセット、位置調整が必要 |
| 処理速度 | 速い(大量処理向き) | 遅い~中速(小~中規模向き) |
| 導入コスト | 高い | 低い |
| 設置スペース | 大きい | 小型・コンパクト |
| 得意な運用 | 同一サイズ箱の連続封函 | 多品種・少量、頻繁なサイズ変更 |
半自動封函機とは
半自動封函機は、作業者が箱を機械にセットし、その後のテープ貼りを自動で行うタイプの封函機です。
フラップの閉じや箱位置の調整を人が行う必要はありますが、
手作業でのテープ貼りに比べて作業効率と仕上がりの安定性を大きく向上できます。
設備コストや設置スペースを抑えやすいため、
中小規模の工場やEC倉庫、多品種・少量出荷の現場で多く採用されています。
全自動封函機とは
全自動封函機は、段ボールの搬送からフラップ折り、テープ貼りまでをすべて自動で行うタイプの封函機です。
作業者は箱の流れを監視するだけでよく、
高速かつ安定した封函処理が可能なため、大量出荷を行う物流センターや製造工場に適しています。
初期投資は高くなる傾向がありますが、
省人化・作業標準化による効果は大きく、長期的な人件費削減や生産性向上につながります。
封函機を導入するメリット

封函機はメーカーや機種によって仕様に違いはあります。しかし、共通している最大の特長は、段ボールを高速かつ安定して封函できる処理能力にあります。
この処理能力により、封函工程だけでなく、梱包・物流全体にさまざまなメリットをもたらします。
① 梱包作業の自動化・省人化
段ボールの封函作業は、手作業で行うとフタ閉じやテープ貼りに時間と労力がかかる工程です。
全自動封函機を導入することで、フラップ折りからテープ貼りまでを自動化でき、作業者の負担を大幅に軽減できます。
その結果、
- 封函作業に必要な人員の削減
- 人手不足によるライン停止リスクの低減
- 同一時間内での処理数量の増加
といった効果が期待でき、現場全体の生産性向上につながります。
また、上流の製函工程や下流の搬送・積み付け工程とのライン連携もしやすくなる点も特長です。
② トータルコストの低下
省人化による人件費削減は、封函機導入の分かりやすいメリットのひとつです。
加えて、機械による封函は常に一定品質で行われるため、作業者の熟練度によるばらつきやミスを抑えることができます。
これにより、
- テープ貼り不良や封不良による手直し・資材ロスの削減
- トラブル対応や再梱包作業の削減
- 梱包品質の安定によるクレーム低減・顧客満足度向上
といった副次的な効果も生まれます。そのため、物流業務全体のトータルコスト低減が期待できます。
③ 省スペース・省資源化
封函機を導入することで、箱詰め後すぐに封函処理を行う流れが構築できます。それにより、作業待ちの段ボールや仕掛品の滞留を減らすことが可能になります。
その結果、
- 作業エリアの省スペース化
- 梱包工程の動線改善
- テープの無駄貼りや再作業の抑制
につながり、資材の有効活用にも貢献します。
封函工程を自動化することは、単なる省人化にとどまらず、作業環境の改善や持続可能な物流体制の構築にもつながる取り組みといえます。
最新封函機メーカーと主要シリーズ
2026年現在、物流・製造現場は多品種化・小ロット化が進み、
封函工程においても現場条件に合った封函機の選定がこれまで以上に求められています。
処理能力、対応ケースサイズ、設置スペース、将来的なライン自動化――
封函機は単体性能だけでなく、**前後工程とのつながりを含めた“運用適合性”**が重要です。
以下では、導入実績・信頼性・シリーズ展開の豊富さに定評のある、主要な封函機メーカーと代表的製品を紹介します。
ストラパック
I型封函機 AS-523(上下I貼り型)
ストラパックの「AS-523」は、同一ケースサイズでの連続封函に向く上下I型封函機です。サイドベルトによる安定搬送方式を採用し、15〜20ケース/分程度の処理速さを実現しています。サイズ調整はハンドル操作で容易にでき、現場での運用性が高いモデルです。
代表スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 処理能力 | 約15〜20ケース/分 ※ケースサイズにより変動あり |
| ケース対応幅 | 幅:100〜500mm、高さ:90〜520mm、長さ:150mm〜 |
| テープ幅 | 36〜50mm(上下貼り) |
| 機械寸法 | 幅850 × 奥行940 × 高さ1,695mm(参考) |
| 機械質量 | 約150kg(参考) |
| 電源 | 単相100V(50/60Hz)0.24kW |
| 特徴 | 上下同時テープ貼り、手動サイズ調整、安定搬送方式 |
ポイント
- 上下面の同時封函が可能で、連続作業に向く安定した入出力を提供。
- サイドベルト幅調整・テープヘッド高さ調整が手動で簡単にでき、機種切替の負担を低減します。
同社では、これ以外にも簡易型や製函機との組み合わせ例など多数のバリエーションをラインアップしています。
積水化学工業(積水マテリアルソリューションズ)
全自動上下I貼り封函機 ワークメイト61/62
積水化学グループのワークメイトシリーズには、全自動タイプのI貼り封函機としてワークメイト61とワークメイト62があります。そのため、混在するケースサイズでも自動搬送・自動テープ貼りが可能です。
代表スペック
| 項目 | ワークメイト61 | ワークメイト62 |
|---|---|---|
| 処理能力 | 約8ケース/分(60Hz時・条件により変動) | 約12ケース/分(60Hz時・条件により変動) |
| 対応サイズ | L:250〜600mm、W:120〜500mm、H:90〜500mm | 同上 |
| 機械サイズ | L:約2,410 × W:約950 × H:約1,780mm | |
| 消費電力 | 3相AC200V 50/60Hz 1.2kVA〜1.0kW | |
| 機械重量 | 約500kg(参考) | |
| 特徴 | ランダム型封函、自動フラップ折込み・サイズ調整 |
ポイント
- 異なるサイズのケースが混在するラインでも自動で対応できるランダム型封函機として設計されています。
- ワークメイト62は処理能力が高く、大量流れ向けの安定した封函性能を提供します。
同シリーズには、サイズ調整型や角貼り(H貼り)用、ランダム型の多彩なバリエーションがあります。それにより、現場ニーズに細かく対応できます。
iCOM技研では、製函封函、積み付けまで1貫したシステム提案が可能です。
iCOM技研による導入サポート|製函自動化の「壁」を取り除く
協働ロボットの導入に不安がある方でも、iCOM技研による以下のサポート体制で安心です。
- 使用目的に合ったモデル選定のコンサルティング
- 導入前の実機デモ・テストで効果を可視化
- ロボット操作教育、安全指導まで含めた現場立ち上げ支援
- ロボットシステム全体の提案(ハンドツール選定)
弊社では協働ロボットを中心とした様々なメーカーを取り扱っております。また、最適なロボット選定からシステム開発・立ち上げまで一貫してご支援可能です。
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