造船・建設現場の溶接自動化に新提案|軽量ロングリーチ協働ロボット FAIRINO FR3-WML

造船・建設現場の溶接自動化に新提案|軽量ロングリーチ協働ロボット FAIRINO FR3-WML

溶接 2026.06.28

造船・建設業界では、人手不足や熟練作業者の高齢化により、溶接作業の自動化が重要なテーマとなっています。

特に、船体ブロックや鉄骨、橋梁部材などの大型構造物を扱う現場では、作業場所が固定されにくく、高所や狭所での作業も発生します。そのため、従来の固定設備型ロボットでは対応が難しいケースもあります。

そこで、本ブログでは、作業者の作業効率を飛躍的に向上させるFAIRINO FR3-WMLについて造船・建設業界に向いている理由を徹底解説いたします。

FAIRINOとは

FAIRINO ロゴ
https://github.com/FAIR-INNOVATION

FAIRINOは、製造現場の自動化に向けた協働ロボットブランドです。

組立、搬送、検査、塗布、溶接など、さまざまな工程への活用を想定しており、現場に導入しやすい操作性コストパフォーマンスの高さが特徴です。

近年は、従来の工場内作業だけでなく、溶接や加工など、より専門性の高い工程への活用も広がっています。

その中でもFR3-WMLは、溶接用途を想定した小型・軽量タイプの協働ロボットです。

FAIRINO FR3-WMLとは

【製品動画挿入予定】

FR3-WMLの主な特徴は、ロングリーチ軽量設計、溶接用途に適した動作範囲、そしてコストパフォーマンスの高さです。

協働ロボットによる溶接自動化を検討する際は、可搬重量やリーチだけでなく、トーチを取り付けた際の重量バランス、必要な作業範囲、設置方法、周辺機器との組み合わせも重要になります。FR3-WMLは、こうした検討を進めるうえで、比較的コンパクトな構成からロボット溶接を検討しやすいモデルです。

FAIRINO FR3-WMLの特徴

FAIRINO FR3-WML
https://jp.fairino.com/FR/10.html

FAIRINO FR3-WMLは、溶接用途を想定した小型・軽量タイプの協働ロボットです。

3kg可搬でありながら、922mmのロングリーチを備えています。そのため、広い作業範囲を確保しやすい点が特徴です。また、本体重量は約11.25kgと軽量で、架台や移動台車などと組み合わせた運用も検討しやすくなります。

さらに、第6軸は±360°の動作範囲を持っており、トーチ姿勢を調整しながら溶接箇所へアプローチしやすい構造です。

溶接機能としては、スイング溶接、アークトラッキング、溶接ワイヤー位置トラッキング、溶接中断時の回復などに対応しています。ロボット本体の軽量性溶接支援機能を組み合わせることで、現場条件に合わせたロボット溶接を検討しやすいモデルです。

FAIRINO FR3-WMLの主要スペック

項目内容
製品名FAIRINO FR3-WML
用途溶接向け協働ロボット
可搬重量3kg
リーチ922mm
本体重量約11.25kg
自由度6軸
繰り返し精度±0.02mm
第6軸動作範囲±360°
保護等級IP54、IP65オプション
ロボット設置全方向対応

造船・建設現場でロボット導入が難しかった理由

造船・建設現場では、溶接自動化のニーズが高まっています。

しかし、ロボット導入は簡単ではありませんでした。その背景には、従来の協働ロボットの使われ方と、造船・建設現場の作業条件の違いがあります。

協働ロボットの活用は小型ワーク中心から広がってきた

協働ロボットは、もともと小型ワークを扱う工程で活用されてきました。たとえば、組立、検査、塗布、ピック&プレースなどです。

これらの工程では、ロボットを設置する場所が決まっています。また、ワークの位置も安定しやすく、決まった動作を繰り返しやすい特徴があります。

その後、溶接トーチや専用ソフト、センサー技術との組み合わせにより、協働ロボットを溶接工程へ活用する動きも広がってきました。

ただし、従来の協働ロボット溶接は、条件が整った工場内での活用が中心です。
特に、造船・建設のような作業場所が変わる現場では、別の視点が必要になります。

造船・建設現場ではワークも作業場所も固定されにくい

造船・建設現場では、一般的な工場ラインとは作業条件が異なります。船体ブロック、鉄骨、橋梁部材などはサイズが大きくなります。そのため、ワークをロボットの前に搬送することが難しいケースがあります。

このような現場では、ロボット側を作業場所へ持ち込む考え方が重要になります。また、溶接箇所が現場内に分散していることも課題です。作業場所によって、姿勢、周辺スペース、足場、電源、ケーブルの取り回しが変わります。

さらに、曲面、角部、奥まった箇所などへの溶接もあります。そのため、ロボットアームが届くだけでは不十分です。適切な姿勢でトーチを当てられるかも重要になります。

固定設備型ではなく、現場展開型の考え方が求められる

従来の大型産業用ロボットは、決まった場所で同じ作業を繰り返す工程に向いています。

しかし、造船・建設現場では、作業対象が大きく、溶接箇所も広い範囲に分散しています。そのため、大型ロボットを1か所に固定するだけでは、現場全体の効率を高めにくい場合があります。

このような現場では、必要な場所へロボットを持ち込めることが重要です。また、複数の作業エリアへ展開できることも大きなポイントになります。

つまり、造船・建設分野で求められるのは、単に小型で扱いやすいロボットではありません。

  • 広い作業範囲をカバーできること。
  • 溶接姿勢に対応しやすいこと。
  • 現場条件に合わせて配置できること。

こうした要素を備えた、現場展開型の溶接自動化が求められています。

FR3-WMLが造船・建設業界に向いている理由

造船・建設現場

造船・建設業界では、船体ブロックや鉄骨、橋梁部材など、大型のワークを扱う場面が多くあります。そのため、ワークをロボットの前に運ぶのではなく、ロボットを作業場所へ持ち込む考え方が重要になります。

FR3-WMLは、小型・軽量でありながら、ロングリーチや第6軸±360°の動作範囲を備えた溶接向け協働ロボットです。作業場所が変わりやすい造船・建設現場でも、柔軟な活用を検討しやすい点が特長です。

大型産業用ロボットと比べて、現場に展開しやすい

大型産業用ロボットは、決まった場所で同じ作業を繰り返す工程に向いています。

しかし、造船・建設現場では、船体ブロックや鉄骨、橋梁部材などワークが大きく、作業場所も一定ではありません。

そのため、ロボットを1か所に固定するよりも、必要な場所へ展開できることが重要です。

FR3-WMLは小型・軽量のため、架台や移動台車などと組み合わせて、作業場所に合わせた配置を検討しやすいモデルです。

ロングリーチで現場作業の段取りを減らしやすい

造船・建設現場では、溶接箇所が広い範囲に分散することがあります。
この場合、リーチが短いロボットでは、作業箇所ごとに本体位置を調整する必要が出てきます。

FR3-WMLはロングリーチ仕様のため、1回の設置でカバーできる範囲を広げやすい点が特徴です。
複数台展開と組み合わせることで、現場全体の溶接作業を効率よく分担しやすくなります。

軽量・高コスパにより、複数台導入を検討しやすい

造船・建設現場では、溶接作業が1か所に集中しているとは限りません。
複数の作業エリアで同時に溶接が進むケースもあります。

このような現場では、高額な大型ロボットを1台導入するよりも、小型・軽量なロボットを複数台展開する方が、現場全体の作業効率向上につながる場合があります。

FR3-WMLは、軽量設計コストパフォーマンスの高さを兼ね備えています。
そのため、必要な作業場所へ複数台を配置し、現場全体の溶接作業を底上げする選択肢としても有効です。

現場全体の作業効率向上につながる

FR3-WMLは、単に一部工程を自動化するためのロボットではありません。
造船・建設現場のように作業場所が広く、溶接箇所が分散する現場では、必要な場所へ複数台を展開することで、作業者の移動負担や待ち時間の削減にもつながります。

大型設備による一括自動化ではなく、現場に合わせてロボットを分散配置できること。
これが、FR3-WMLが造船・建設業界に向いている大きな理由です。

造船業界で想定されるFR3-WMLの活用事例

導入事例:造船業の溶接 – 限られたスペースでも活躍
導入事例:造船業の溶接 – 限られたスペースでも活躍

造船業界では、ブロック工法と呼ばれる船全体を数十個のブロックに分割し造船所内で組み立てる方法が一般的に用いられます。溶接支援台車や産業用ロボットによる自動化でかなり自動化は進んでいますが、奥まった場所やV巻と呼ばれる折り返し部分は現状、作業者頼りになっている現場も多いようです。

端部、ブロック内の溶接

直線の溶接や上面からのアプローチが容易な箇所については、従来の溶接支援台車等で自動化されているケースも多いですが、端部の折り返しやブロック内の溶接は手つかずになっているのではないでしょうか。

FR3-WMLは、本体重量が約11kgと非常に軽量なため、そのような場所でも非常に扱いやすく、回り込んだ動作も可能です。

現場内での複数台展開

建設現場では、溶接箇所が1か所に集中しているとは限りません。複数の作業エリアで同時に作業が進むケースもあります。

FR3-WMLは小型・軽量で、コストパフォーマンスにも優れているため、必要な場所へ複数台を展開する構成も検討しやすいモデルです。

大型設備を1台導入するだけでなく、現場条件に合わせてロボットを分散配置できる点は、建設業界における大きな活用可能性といえます。

設備新設・更新、故障時にも安心

FR3-WMLは協働ロボットの中で最も安い価格帯になります。そのため、導入時は勿論、故障した際に新規で購入する際も他の協働ロボット、自動化設備に比べ費用を最小限に抑えることが可能です。

建設業界で想定されるFR3-WMLの活用事例

建設業界で想定されるFR3-WMLの活用事例

建設業界では、鉄骨、橋梁、建築金物、補強部材など、さまざまな構造物に溶接作業が発生します。

特に大型部材を扱う現場では、ワークをロボットの前に運ぶことが難しいケースがあります。そのため、ロボットを作業場所へ持ち込み、必要な箇所で溶接を補助する使い方が有効です。

鉄骨部材の溶接

鉄骨部材の製作や補修では、同じ形状や似た形状の溶接作業が繰り返されることがあります。

FR3-WMLを活用することで、作業者が行っていた繰り返し溶接の一部をロボットで補助できます。これにより、作業者の負担軽減品質の安定化が期待できます。

橋梁・大型構造物の補修溶接

橋梁や大型構造物では、補修箇所が広い範囲に分散する場合があります。

FR3-WMLは小型・軽量で、作業場所に合わせた設置を検討しやすい協働ロボットです。ロングリーチを活かすことで、1回の設置でカバーできる範囲を広げやすく、補修作業の効率化にもつながります。

高所・狭所での溶接作業の補助

建設現場では、高所や狭所など、作業者に負担がかかりやすい場所での溶接も発生します。

FR3-WMLを架台や治具と組み合わせることで、作業者が無理な姿勢で行っていた作業をロボットで補助できる可能性があります。特に、姿勢保持が難しい作業や、一定の溶接品質を維持したい工程で効果が期待できます。

建築金物・補強部材の繰り返し溶接

建築金物や補強部材では、比較的小さな部材に対して同じような溶接を繰り返す工程があります。

このような作業は、協働ロボットによる自動化と相性が良い領域です。FR3-WMLを活用することで、作業者は段取りや確認作業に集中し、ロボットが繰り返し溶接を担う運用も検討できます。

現場内での複数台展開

建設現場では、溶接箇所が1か所に集中しているとは限りません。複数の作業エリアで同時に作業が進むケースもあります。

FR3-WMLは小型・軽量で、コストパフォーマンスにも優れているため、必要な場所へ複数台を展開する構成も検討しやすいモデルです。

大型設備を1台導入するだけでなく、現場条件に合わせてロボットを分散配置できる点は、建設業界における大きな活用可能性といえます。

導入前に確認すべきポイント

Check!

FR3-WMLは、造船・建設現場での溶接自動化に適した特徴を持つ協働ロボットです。
ただし、実際に導入する際は、現場条件に合わせた検討が欠かせません。

ワークサイズと溶接範囲

まず確認すべきなのは、対象となるワークのサイズ溶接範囲です。

船体ブロック、鉄骨、橋梁部材などは大型になりやすく、溶接箇所も広範囲に分散することがあります。

  • ロボットのリーチ内でどこまで作業できるか
  • 1回の設置でどの範囲をカバーできるか

を事前に確認することが重要です。

溶接姿勢とトーチの取り回し

溶接では、トーチ角度や進行方向が品質に影響します。

そのため、直線溶接だけでなく、曲面、角部、奥まった箇所などで、必要な姿勢を取れるかを確認する必要があります。
ロボット本体の動作範囲だけでなく、トーチ、ケーブル、周辺治具との干渉も確認しておくことが大切です。

設置方法と移動方法

造船・建設現場では、ロボットを固定して使うだけでなく、作業場所に合わせて移動させる運用も想定されます。

そのため、架台、移動台車、マグネットベースなど、どのような方法で設置するかを検討する必要があります。
複数台展開を考える場合は、電源、溶接機、ケーブルの取り回し、作業者の動線も合わせて確認します。

使用環境への対策

溶接現場では、粉塵、油、水分、スパッタなどが発生します。

ロボット本体の保護性能だけでなく、ケーブル保護スパッタ対策防塵・防水対策も重要です。
屋外や半屋外で使用する場合は、温度、湿度、雨水、風などの影響も確認しておく必要があります。

安全対策

協働ロボットであっても、安全対策は必須です。

作業者との距離、ロボットの動作範囲、非常停止、エリアセンサ、運用ルールなどを現場に合わせて設計する必要があります。
特に造船・建設現場では、人の出入りや作業エリアの変化が多いため、実際の運用を想定した安全設計が重要です。

実機テスト・試溶接

導入前には、対象ワークを用いた実機テストや試溶接を行うことが望ましいです。

机上のスペックだけでは、トーチ姿勢、溶接品質、作業時間、段取り性まで判断しきれない場合があります。
実際のワークや近い条件で確認することで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

iCOM技研による溶接作業の自動化ご提案|まずはシミュレーションから

(FR3-WML溶接事例動画)

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  • 協働ロボットを活用した安全性の高いシステム提案
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また、iCOM技研では、ユニバーサルロボットをはじめとする各種ロボットメーカー製品を取り扱っており、用途や現場環境に応じた最適なシステムをご提案いたします。

溶接工程の省人化・品質安定化をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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(FR3-WML溶接事例動画)

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