食品業界では、労働力不足や生産性向上のために協働ロボットの導入が増加しています。
今回は、協働ロボットを用いて全工程自動化に取り組んでいるシャトレーゼの取り組み事例を紹介します。
シャトレーゼとは?
シャトレーゼは、日本の菓子メーカーで、1954年に創業されました。山梨県を拠点に、洋菓子、和菓子、アイスクリームなど、幅広い商品を展開しています。厳選された素材を使用し、品質管理に力を入れていることが特徴です。
シャトレーゼは早い段階からロボットによる工場の自動化を図っていました。
食品業界の工場自動化の一例として、シャトレーゼの事例について紹介していきます。
食品業界が抱える問題
①人手不足と人件費
日本の食品業界は少子高齢化により労働力不足が深刻化しています。それに伴い、人件費の高騰も問題となっており、効率的な生産体制の確立が急がれています。
②生産ラインの変更
食品工場では季節商品や新商品の生産があり、その都度生産ラインの見直しが起きます。そのため、産業用ロボットの場合変更毎にかなりのコストがかかります。
③品質の安定
高品質なスイーツの生産の場合、人手による作業が多くを占めています。そのため、一貫した品質を保つことが難しく、生産性の向上も課題となっています。
シャトレーゼの協働ロボット活用事例
協働ロボットは、主に後工程の包装・パレタイジングなどに用いられてきました。しかし、さらに生産コストを下げるには、より難しい前工程の自動化に取り組む必要がありました。
ただ、単純作業である包装や箱詰めなどの工程とは異なり、スイーツそのものを作る前工程は食感や口溶け、デザインなど菓子の付加価値に直結するため、その自動化には様々な難しさがあります。シャトレーゼは、その前工程で協働ロボットの活用しています。
前工程自動化の障壁
過去に自動化に失敗
シャトレーゼは過去に前工程の自動化に取り組みましたが、当時は協働ロボットが登場する以前だったこともあり、
- 製品のライフサイクル
- クリームの品質
の2つの問題から断念していました。
固定の設備と商品毎のティーチングは外注しており、ライフサイクルの短い商品にとってはコストが見合っていませんでした。また、たびたび発生するチョコ停にクリームロスや品質の低下が引き起こされていました。
協働ロボットを用いて解決
シャトレーゼはそこで、前工程に協働ロボットを用いて問題解決を図りました。注目したのは以下の2点です。
柔軟性
食品業界では、季節商品や新商品の投入が頻繁に行われます。協働ロボットは簡単なティーチングだけで、異なる作業に迅速に対応できます。これにより、市場のニーズに迅速に応えることが可能となります。
シャトレーゼは、産業用ロボットと異なり、安全柵がいらないことや床に固定しなくてもよいという自由なレイアウトで製品の短いライフサイクルに対応しました。
品質の安定
デリケートな食品の加工や包装などの作業では、手作業よりも一貫した品質を保つことができます。それにより、消費者に対して高品質な製品を提供することが可能になります。
シャトレーゼは、一工程に複数台を組み合わせ素早く安定した生産を可能にしました。
まとめ
シャトレーゼの事例から、食品業界での協働ロボットの可能性を紹介しました。パレタイザーや包装だけでなく、商品の生産に直接関わる工程に協働ロボットを活用しており、このことが、安くておいしい秘訣につながっていました。
iCOM技研の取り組み
iCOM技研はSIer事業を展開しており、協働ロボットシステムの導入を行っています。弊社は、協働ロボットの販売からソフトウェア開発、ロボットスクールまで行っています。2024年からAI開発にも取り組み始めました。
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