兵庫県立大学の産学連携実践講義とは
目的
将来、企業への就職を考えている学生に対し、企業の講師が研究開発の状況を説明することで、企業研究者としての素養についての理解を深めることを目的としています。
対象学生
兵庫県立大学工学研究科と理学研究科における博士前期課程、博士後期課程、ポストドクターの学生。
講義内容
協働ロボットとDX+AIで作る製造業の未来
近年、製造業は急速に進化を遂げています。その中心に位置するのが「協働ロボット」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、そして「人工知能(AI)」です。iCOM技研株式会社は、この三つの要素を融合させた革新的なソリューションが、製造業の未来を切り拓く鍵だと考えております。昨今AIや協働ロボットの発展が進み、現代の製造業をどのように変革しつつあるかを講義しました。
AIと協働ロボットの融合
AIの導入により、協働ロボットはさらに高度な自動化と効率化を実現していくと考えております。具体的には、ティーチングの自動化が挙げられます。従来、ロボットに作業を教えるには専門的な知識と時間が必要でした。しかし、AIを活用することでこれを大幅に簡素化できます。
例えば、AIによる機械学習や画像認識を通じて、物体の形状や材質、重さ、位置を判断し、ロボットに最適な方法で把持する能力を持てせることも可能です。これにより、異なる形状やサイズの物体を安全かつ効率的に取り扱うことができます。
DXと製造業の未来
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、製造業の革新に不可欠な要素です。DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革することを指します。これにより、生産性の向上やコスト削減、新たな価値の創出が可能となります。
具体的には、データのデジタル化、業務のIT化、ビジネスモデルのDX化が挙げられます。まず、アナログデータをデジタルデータに変換する「デジタライゼーション」が必要です。次に、デジタル技術を使って業務を効率化し、データ管理を改善する「IT化」を進めます。最後に、デジタル技術を使ってビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革する「DX化」を行います。
ロボットとAI市場の展望
今後、協働ロボットとAIの市場は急速に拡大すると予想されています。
2020年には協働ロボットの出荷台数が25,485台、出荷金額が899億7500万円でしたが、2023年には出荷台数が71,446台、出荷金額が2,152億2300万円に達すると見込まれています。さらに、2032年には出荷台数が432,000台以上、出荷金額が1兆円から3兆円に達する可能性があります。
これにより、多様な市場ニーズに柔軟に対応できる協働ロボットの需要が増加し、AIと組み合わせることでさらなる効率化と高度化が進むと考えられています。
まとめ
「協働ロボットとDX+AI」の融合、製造業の未来を切り拓く大きな可能性を秘めています。これにより、効率的で柔軟な生産体制が実現され、企業の競争力が大幅に向上することが期待されます。兵庫県立大学を筆頭に産学連携や産官連携を通じて、今後の技術進化と共にさらなる革新的なソリューションを開発してまいります。