リモートTCPとは?URロボットの機能を解説

リモートTCPとは?URロボットの機能を解説

2025.07.28

URロボットには「リモートTCP」という便利な機能があり、工具の“先端”を動作の基準点として制御することができます。

「ロボットを使ってバリ取りや研磨を自動化したいけど、細かい形状や複雑な工具の動きに対応できるの?」

そんな疑問をお持ちで方に向けて、便利機能の紹介・設定方法などを解説します!

リモートTCPとは?

URロボットに限らず、産業用ロボットでは「TCP(ツールセンターポイント)」という考え方が重要です。

これは、ロボットに取り付けたツールの「動作基準点」のことです。

しかし現場では、工具が長い、回転している、先端が特殊な形をしていることが多くあります。

そんなときに使えるのが「リモートTCP」です。

リモートTCPは、「ロボットの先端」ではなく「工具の先端」に基準を置いて動かせる機能です。

通常のTCPとリモートTCPの違いとは

TCPとリモートTCPの比較

【違いをカンタンに言うと】

  • 通常のTCP → ロボットの手先を基準に動く
  • リモートTCP → 工具の先端を基準に動く

たとえば、長い棒の先端にグラインダーがついている場合。
リモートTCPを使うと、「棒の先端」がロボットの動作の中心になります。

これにより、正確に加工面をなぞったり、一定の角度を保って動かすことができます。

リモートTCPのメリット

項目メリット
加工精度
工具先端が狙った場所に正確に届く
安定性角度や姿勢が保てる
再利用性ツールを変えてもプログラムを流用しやすい

URロボットでのリモートTCPの使い方

URロボット(UR3e, UR5e, UR10eなど)では、標準OS「Polyscope(ポリスコープ)」上でリモートTCPを簡単に設定できます

設定の流れ(かんたん説明)

  1.  www.universal-robots.com/activateにサインインします
  2. ライセンスファイルをUSBドライブにダウンロードする
  3. USBドライブをティーチペンダントに接続し、「ロボットの設定」のURCapsをタップして「リモートTCP」を有効化します。
リモートTCP設置設定画面
リモートTCPプログラム画面

活用事例

①:バリ取り作業

課題:人手でのバリ取りは大変

  • 作業者によって仕上がりが違う
  • 細かい穴や曲面の処理が難しい
  • ムラが出てしまう

リモートTCPで解決

バリ取り事例
  • 工具の先端が常に正しい角度で当たる
  • ワークの形に合わせて正確に動ける
  • 人手を使わず、仕上がりが均一になる

応用:SolidWorksとの連携も可能

solidworks_UR

詳しくはこちらをチェック

②:宝石や貴金属の研磨

課題:超精密な研磨作業は人の感覚に頼りがち

  • ワークが小さすぎて手作業ではブレやすい
  • 回転治具との位置合わせが難しい
  • 力加減によって仕上がりが変わってしまう

リモートTCPで解決

  • 工具の「研磨点」を基準に動ける
  • 回転台との同期もスムーズに
  • 接触角度や圧力が一定で、仕上がりが安定

6. まとめ|リモートTCPでロボットの自由度が広がる

URロボットのリモートTCPは、工具の先端を「ロボットの手先」として扱える画期的な機能です。

これにより、研磨加工・バリ取りなど、これまで難しかった作業も自動化できます。

リモートTCPの機能を活用した自動化に興味のある方は、ぜひiCOM技研へお問合せください。

基礎からわかる! 協働ロボットお役立ち
資料集

協働ロボット導入をお考えなら、まずはこちら。
初心者の方でも基礎からわかる3つの資料が手に入ります。

  • 導入事例・システム価格がわかる!協働ロボット導入事例BOOK
  • 知らないと損をする中小・中堅企業の工程自動化最前線
  • 協働ロボットの失敗しない比較ポイント12の秘訣
基礎からわかる!協働ロボットお役立ち資料集

お気軽にお問い合わせください