CAD設計に対する課題解決手段として自動化が非常に優れているにもかかわらず、自動化が進まない理由、そしてそのハードルを下げるためのテンプレート設計の重要性について解説します。
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なぜ自動設計が普及しないのか
自動設計とは
まず自動設計とは、CADソフトウェアが提供する設計の一部を自動化する機能です。例えば、部品の形状やサイズを変更した際に、それと関連する他の部品やアセンブリが自動的に更新され、全体の設計が一貫性を保つようになります。この機能を活用すれば、設計の効率化が可能になります。
課題
しかし、自動設計の導入にはいくつかのハードルがあります。自動設計システムの設定には複雑なルールやパラメータが必要であり、その設定には高度な技術とコストが伴います。さらに、システムがルールに基づいて動作するため、特殊な要件や予期しない変更に対応しにくいことがあります。このような理由から、自動設計の導入には慎重な検討が必要とされており、普及が進まない要因の一つとなっています。
テンプレート設計とは
テンプレート設計とは、3Dモデルや図面のひな型(テンプレート)をあらかじめ用意し、それを基に新たな設計を行う方法です。例えば、機械設計において共通部品が多い場合、それらの部品をテンプレートとして保存しておけば、新たな設計の際に効率的に活用できます。このようなテンプレートを用いることで、設計時間を大幅に短縮することが可能です。
また、テンプレート設計環境を整備することで、設計者が創造的な問題解決に集中できる時間を捻出する効果も期待できます。これ以外にも、以下のようなメリットがあります。
テンプレート設計のメリット
若手設計者への技術伝承
経験豊富な設計者が作成したテンプレートは、知識や技術、経験を反映したものです。若手設計者がそのテンプレートを使用することで、ベテラン設計者のスキルを直接学ぶことができます。これにより、設計チーム全体のスキル向上が期待されます。
顧客ニーズに応じた製品展開
一度作成されたテンプレートからは、様々なバリエーションの製品を効率的に設計できます。例えば、特定の機能を追加したり、素材を変更したりする要望があった場合、テンプレートをベースに必要な部分を修正することで、短時間で市場や顧客のニーズに応えることが可能です。
標準化によるコスト削減と品質向上
テンプレートに基づく設計は、プロセスの標準化を促進します。これにより、設計ミスの減少や品質の安定化が期待され、全体的なコスト削減につながります。
まとめ
テンプレート設計は、CAD設計の自動化に対する有力な解決策であり、設計効率の向上、技術伝承、コスト削減など多くのメリットを提供します。特に若手設計者の育成や、顧客ニーズに迅速に対応する製品展開が求められる現代において、テンプレート設計の導入は不可欠と言えるでしょう。
参考資料
iCOM技研の取り組み
iCOM技研はSIer事業を展開しており、協働ロボットシステムの導入を行っています。弊社は、協働ロボットの販売からソフトウェア開発、ロボットスクールまで行っています。2024年からAI開発にも取り組み始めました。
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