近年、少子高齢化により様々な産業での人手不足が深刻化しています。鉄道業界においても点検や保守作業でも人手不足が問題となっています。また、作業者の安全面での課題もありました。そんな中、JR東海が開発したトンネル自動検査ロボットが注目を集めています。
今回は、JR東海が取り組むトンネル自動検査ロボットの事例について日経Roboticsの記事を紹介していきます。
JR東海のトンネル自動検査ロボットとは?
JR東海が開発したこのロボットは、鉄道トンネル内のコンクリートの状態を自動で検査することができます。従来、トンネルの検査は高所作業車を使い、5人の作業者が必要でしたが、このロボットを導入することで3人以下に作業人数を削減できることが期待されています。これにより、作業の効率化と安全性の向上が見込まれています。
主な用途と背景
このロボットの主要な用途は、現在建設中のリニア中央新幹線に関連しています。リニアの品川駅から名古屋駅までのルートの約86%はトンネルで構成されており、将来的にはこれらのトンネルの保守作業が大きな労力を要することが予想されます。この問題を解決するため、JR東海は2015年から自社開発を進めてきました。
自動検査ロボット技術の仕組み
このロボットは、従来の打音検査を自動化する技術を搭載しています。打音検査とは、コンクリートの状態を音の反響で判断する方法です。このロボットは、トンネル内を移動しながら、コンクリートの状態をリアルタイムで検査し、データを収集します。これにより、作業の迅速化と正確性が向上します。
現場での実績
現在、このロボットは愛知県小牧市にあるJR東海の小牧研究施設でテストが行われており、実際のトンネルでも試験的に運用されています。開発を主導した藤田京康氏は、「数え切れないほど多くのテストを重ねた」と語っており、実用化に向けた取り組みは着実に進んでいます。
省人化技術の重要性
鉄道業界における省人化技術は、今後ますます重要になっていくでしょう。人手不足や高齢化が進む中、効率的な作業が求められています。JR東海のトンネル自動検査ロボットは、その一翼を担う存在となることでしょう。
今後の展望
JR東海のトンネル自動検査ロボットは、今後のトンネル保守作業においてますます重要な役割を果たすと考えられています。リニア中央新幹線の開通に伴い、トンネルの保守・点検が増えると予想される中、このロボットの導入が進むことで、より安全で効率的な作業が実現できるでしょう。
まとめ
JR東海が開発したトンネル自動検査ロボットは、鉄道業界の未来を切り開く技術です。自動検査技術による省人化は、作業効率を向上させるだけでなく、作業者の安全性を高めることにも寄与します。今後、リニア中央新幹線をはじめとするトンネルの保守において、このロボットが果たす役割はますます大きくなることでしょう。
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参考文献
JR東海、トンネル自動検査ロボットを開発、ルートの8割トンネルのリニアに向け省人化 | 日経Robotics(日経ロボティクス)