協働ロボットの安全性

協働ロボットの安全性

協働ロボット 2025.02.06

近年、人と一緒に作業可能な産業用ロボットである協働ロボットの導入が進んでいます。安全性に配慮されたロボットですが、協働作業を行うためには、安全規約や、環境を整える必要があります。

中小企業省力化投資補助金を用いた協働ロボットの導入

協働ロボットも安全対策は必要?

協働ロボットの安全性について

協働ロボットは、産業用ロボットと異なり特別教育が不要なため、リスクアセスメントの実施は不要と考える方も多くいると思います。

確かに協働ロボットは、産業用ロボットより安全性の高いロボットと言えます。

しかし、協働ロボットの設置場所や従業員の配置に問題があると従業員に危険が及びます。そのため、協働ロボットの導入前には、安全規格に基づいた製造現場のリスクアセスメントが必要です。

この記事では、協働ロボットのリスクアセスメントの参考となる安全規格や具体的な安全対策について解説します。協働ロボットの安全規格について理解することで事故を未然に防ぐことができます。

今回は、協働ロボットの安全規格について解説します。

協働ロボットのリスクアセスメント

協働ロボットの安全規格

考慮すべき安全規格・国際規格は次の3つが該当します。

規格概要対象
ISO 10218-1ロボットの設計上の安全や製造上の安全を保証するための要求事項協働ロボットを含める産業ロボット
ISO 10218-2ロボットの設計上の安全や製造上の安全を保証するための要求事項システムインテグレーター(事業所にロボット導入するのをサポートする専門業者)
ISO/TS 15066ISO10218-1を補完するために制定された協働ロボットの安全要求事項協働ロボット

ISO 10218-1(JIS B8433-1:2015)

ISO 10218-1は、産業用ロボットの安全に関する国際規格です。この規格は、産業用ロボットの設計、製造に関する安全要件を規定しています。

  1. 一般要件: 産業用ロボットの設計および製造において考慮すべき基本的な安全要件。
  2. 制御システム: ロボットの制御システムに関する安全性と信頼性の確保。
  3. 運転および停止機能: ロボットの運転、停止、緊急停止機能の要件。
  4. 可動部の危険性の低減: ロボットの可動部による危険を最小限に抑えるための設計要件。
  5. 情報提供および表示: 使用者に対する適切な情報提供と警告表示の要件。

ISO 10218-2(JIS B 8433-2:2015)

ISO 10218-2は、産業用ロボットシステムと統合に関する安全要件を規定した国際規格です。この規格は、ISO 10218-1と対にになる規格で、教示作業とその使用に関する具体的な安全基準を提供しています。

  1. システムインテグレーション: 産業用ロボットを他の機械や設備と統合する際の安全要件。これには、ロボットと他の装置との相互作用、安全制御システムの設計、適切なインターフェースの確保が含まれます。
  2. 危険源の識別とリスクアセスメント: ロボットシステムの設計およびインテグレーションにおいて、潜在的な危険源を特定し、それに対するリスクアセスメントを行う手順。
  3. 防護措置: ロボットシステムの運用中に生じる可能性のある危険に対する防護措置の設計と実装。これには、安全柵、安全装置、光センサーなどの導入が含まれます。
  4. 緊急停止システム: 緊急時にロボットシステムを安全に停止させるための緊急停止システムの要件。
  5. 保守および点検: ロボットシステムの定期的な保守と点検のためのガイドライン、ならびに保守作業中の安全要件。
  6. トレーニングと教育: ロボットシステムを安全に操作するための適切なトレーニングと教育の提供に関する要件。

ISO/TS 15066:2016

ISO/TS 15066:2016は、協働ロボットシステムの安全性を確保するためのガイドラインを提供しています。また、人間とロボットが安全に共存・協働するための要件を定めています。主な内容は以下の通りです:

  1. 協働運転モード: 人間とロボットが安全に協働するための運転モードの要件。これには、速度と距離の監視、安全停止機能などが含まれます。
  2. リスクアセスメント: 協働ロボットシステムにおけるリスクアセスメントの手順。これには、潜在的な危険源の特定と、適切なリスク軽減措置の実施が含まれます。
  3. 人体に対する許容値: ロボットが人間に接触した場合の力や圧力の許容値。これにより、協働作業中の怪我を防ぐための具体的な基準が提供されます。
  4. 防護措置: 人間とロボットの協働作業環境における防護措置の要件。これには、センサーやバリアなどの安全装置が含まれます。
  5. 安全設計: 協働ロボットシステムの設計において、安全性を確保するための設計要件。これには、人間の動きや反応を考慮した設計が求められます。
  6. 教育とトレーニング:協働ロボットを安全に操作・保管するための教育とトレーニング。これには、操作手順や緊急対応についての訓練が含まれます。

まとめ

協働ロボットは、産業用ロボットに比べ圧倒的に安全と言えます。しかし、協働ロボットは、人と近距離で作業可能であるため確実に安全を確保する必要があります。

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