吸盤式物流ロボットの興味深い記事がありましたので、ご紹介いたします。
##https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00004/00095/
2024年1月、EC特化型物流事業者のエクシークは、千葉県船橋市の物流施設「MFLP 船橋III」において、中国のQuicktronが開発した吸盤式物流ロボットを世界で初めて導入しました。このロボットは「bin-to-person(BTP)」システムを採用しており、商品が保管されているケースを棚から吸着し、ピッキングステーションまで自動で運搬します。
今回は、QuicktronのBTPシステム型ロボットとその導入事例を紹介していきます。
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Quicktronとは
Quicktron Intelligent Technology(快倉智能科技)は、中国のロボット製造企業で、物流向けの自動化ソリューションを提供しています。2014年に設立され、上海を拠点としています。Quicktronは、特にEC(電子商取引)や物流業界向けに自律移動ロボット(AMR)やグッズ・トゥ・パーソン(GTP)型ロボットなどを提供しており、その製品は中国国内外で広く導入されています。
Quicktronは、さらに保管・ピッキング効率を上げるため、棚からケース(bin)を自動で取り出してピッキングステーションまで運んで来る「bin-to-person(BTP)」と呼ばれるロボットシステムの提供を始めました。
Quicktronの吸盤式BTPロボットの特徴
GTPとの違いとメリット
従来のGTP(グッズ・トゥ・パーソン)型ロボットと比較して、BTP(Bin-to-Person)型ロボットを提供しています。GTP型ロボットは棚全体を移動させて商品を取り出す方式ですが、BTP型ロボットは棚から小さなケース単位で商品を取り出します。この違いにより、BTP型はエネルギー効率が高く、スペースの有効活用が可能となります。また、BTP型は吸盤式ノズルを採用しており、ケースの取り出し精度が向上し、物流作業の効率化に寄与します。
吸盤式ノズルの技術
BTPロボットには、吸盤式ノズルが搭載されています。この技術により、ケースを高密度に保管できるため、倉庫スペースの有効活用が可能となります。吸盤は伸縮可能な蛇腹部分を持ち、ケースの表面にしっかりと吸着しながら取り出すことができます。これにより、ケースの配置を最適化し、取り出し作業の迅速化を実現しています。
エクシークの導入事例
導入の背景
EC(ネットシッピング)をメインに扱うエクシークは当時、複数の大手ECサイトで大型のセールやキャンペーンが開催されたことがあった。そのころ、倉庫内で棚に保管された商品を、人間のスタッフが歩き回ってピッキングする一般的な方式を採っていたエクシークは、人員の確保や増大した人員のマネジメント業務の過酷さを味わったそうです。
導入の効果
こうした状況から、「ロボットを含めたDXにシフトしなければ、とても立ち行かない」と決意し、業務の自動化に踏み切りました。BTPロボットシステムは、他社の自動化に用いられているGTPとは異なり、目的の商品のケースのみを棚から取り出すことができるので、余計なエネルギーを消費することなく搬送を行うことができます。
今後の展望
棚にある商品をBTPによって自動で取得、搬送を行います。現在ではピッキングステーションに届けるまでが自動化されていますが、最終的にはピッキングシステムを導入し、自動化を行う予定だそうです。
ピッキングシステムを導入する場合、協働ロボットアームを使用すると、多くのメリットを得ることができます。また、ハンドとティーチングを変更するだけで梱包、包装を行うことができ柔軟性に優れています。
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まとめ
この搬送システムは、物流の効率化に対する革新的なソリューションです。 と組み合わせるなど、協働ロボットの活躍の場はますます広がりを見せています。それに伴い、AI・テーチングに対する取り組みが重要になります。
新たな可能性を提供する協働ロボットと、その自動化システムには今後も注目していく必要があります。
参考文献
iCOM技研の取り組み
iCOM技研はSIer事業を展開しており、協働ロボットシステムの導入を行っています。弊社は、協働ロボットの販売からソフトウェア開発、ロボットスクールまで行っています。2024年からAI開発にも取り組み始めました。
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