溶接の事故事例

溶接の事故事例

溶接 2024.07.26

今回は、溶接作業における事故の事例と対策を紹介します。また、溶接作業の自動化システムについても紹介していきます。

溶接作業の事故事例

溶接作業においては、感電、ヤケド、強い光線による目の障害、ヒュームによる発熱や頭痛、鋼板の落下による怪我などの災害が発生する可能性があります。また、スパッタ、アークなどが、火災や爆発を誘発することなどにも注意が必要です。

ヒュームによるじん肺

塵肺についてのイメージ画像
https://www-it.jwes.or.jp/we-com/bn/vol_8/sec_6/6-1.jsp

じん肺とは

その粉じんを長い年月にわたって多量に吸い込むことで、肺の組織が線維化し、硬くなって弾力性を失ってしまった病気をじん肺といいます。

じん肺によって肺が白く濁ってしまった様子

じん肺の症状

じん肺の初期症状は息切れ・咳・痰が増えるなどです。症状が進行すると肺の組織が壊され、呼吸困難を引き起こします。また、気管支炎、肺がん、気胸などの合併症にかかりやすくなるので注意が必要です。じん肺の症状は数年から十数年かけてゆっくりと進行します。

溶接において粉塵を吸い込んでしまいじん肺になった肺の画像

じん肺の治療法

いったんじん肺にかかると、粉じん作業をやめたあとも病気は進行します。
また、じん肺そのものについては、現在、治療の方法がありません。粉じんの発生源対策、局所排気装置等の適正な稼働、呼吸用保護具の適正な着用などにより粉じんへのばく露防止対策を徹底することが重要です。

防護具不使用による事故

溶接機の防護具の画像

ヘルメット、防じんマスク、(保護)メガネ、保護面、手袋(溶接用革手袋)、安全靴などの保護具なしで溶接をしてはいけません。

事例:強烈なアーク光線、中でも紫外線は目と皮膚に障害を与えます。目の障害は角膜部の「電光性眼炎」と呼ばれ、皮膚は強烈な日焼けになります。

対策: 適切なシールド付きの溶接用面を使用し、直接アークをみないようにしましょう。また、目の障害の場合自分が出したアーク光線より、隣近所から来る光線が原因となるケースが多く見受けられます。後方などアーク面の隙間から入ってくるアーク光には注意が必要です。

取り扱いミスによる事故

溶接機の取り扱いについて

事例: 溶接機の不適切な取り扱いや機器の故障により電気ショックを受ける。

対策: 機器の定期的な点検とメンテナンスを実施し、作業前に機器の状態を確認しましょう。また、感電を防ぐため、自動電撃防止装置というものを備えなえておくことが特に重要です。
自動電撃防止装置とは、大量の電流が流れた時、自動的に電流量を絞り、人体に影響がないようにするものです。要するに、漏電ブレーカーと同じような働きをするわけです。

作業環境の整備不足による事故

溶接の作業スペースが整理整頓されていない様子

火災・爆発

事例: スパークや高温の金属片が可燃物に引火して火災が発生する。

対策: 溶接前には、しっかりと周囲を整理しておくことが重要です。また、布などの可燃物、ボンベなどはなるべく作業場所から遠ざけておくことも重要です。消火器なども用意しておくとよいでしょう。

疲労や集中力低下による事故

気を抜いて作業している様子

事例: 長時間の研磨作業により作業員が疲労し、集中力が低下した結果、手元が狂って事故を引き起こす。

対策: 定期的な休憩を取り、適切な作業時間を守る。また、疲労を感じたら無理せず作業を中断し、体を休めることが大切です。溶接は、感電、火災の危険性があり、最悪の場合死亡事故にもつながります。

溶接事故による影響とは?

労働災害とは

溶接作業で労働災害についての画像

労働災害とは、労働者(従業員、社員、アルバイトなど)が労務に従事したことによって被った負傷、疾病、死亡などです。

作業中に起こりうるの労災の一例として以下のようなものがあります。

労働事故
挟まれ・巻き込まれ: 機械に巻き込まれる、ドアに挟まれるなど
切れ・こすれ: 工具や鋭利な物品での切り傷、擦り傷など。

職業病
塵肺: 鉱物の粉塵を長期間吸入することによる肺の病気。
騒音性難聴: 長時間の騒音暴露による聴力の低下。

健康障害
過労: 長時間労働や過重労働による疲労蓄積。

しかし、人が研磨を行う工程がある以上これらのリスクは切り離すことができません。

労働災害に認定されるとどうなる?

溶接作業で労災認定されたい場合を連想させるような画像

業務上の事故や病気について労災が認定されると会社にはどのような影響があるのでしょうか?

労災に認定されると会社側には大きく分けて7つの影響があります。

  • 従業員から損害賠償請求を受ける可能性がある
  • 労災にあった従業員の解雇が制限される
  • 労災保険料が上がるケースがある
  • 行政の入札で指名停止処分を受けることがある
  • 業種によっては行政処分を受けることがある
  • 刑事罰を受けることがある
  • 報道などにより社会からの批判を受けることがある

溶接作業の自動化で解決!

溶接作業を自動化することで、事故や危険な環境を改善することが期待されています。

職人に頼り切りだった溶接工程を協働ロボットで自動化し、生産効率の向上を図ることができます。また、以下のメリットもあります。

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