レンタルパレットとは~物流効率化、物流コスト削減~

レンタルパレットとは~物流効率化、物流コスト削減~

お役立ち情報 2026.07.12

日本パレットレンタル(JPR)のレンタルパレット供給枚数が、2025年度に過去最高を更新したというニュースが話題となっています。。本記事では、レンタルパレットが供給枚数は5,557万枚、前年度比4.7%増と大きく伸びた背景、そもそものレンタルパレットが普及した背景について解説します。

レンタルパレットの特徴

従来、パレットは購入して使うものが中心でしたが、近年レンタルする形態が急増しています。その背景には、物流現場で手荷役や荷待ち時間を減らしたいという需要があります。

レンタルパレットの特徴

レンタルパレットとは

レンタルパレットとは、必要な枚数を借りて使うパレットです。自社で購入せず、出荷や輸送に必要な分だけ利用できます。使い終わったパレットは、納品先や回収拠点から返却されます。

そのため、購入費用や保管負担を抑えやすい仕組みです。

レンタルパレットで進む規格標準化

複数企業が同じ規格のパレットを使うことで、物流をそろえやすくなります。

パレットの規格がそろうと、荷役や保管の方法も標準化しやすくなります。

その結果、拠点ごとの作業ばらつきを減らしやすくなります

レンタルパレットと一貫パレチゼーション

レンタルパレットは、一貫パレチゼーションと相性が良いです。一貫パレチゼーションとは、発地から着地まで積み替えを減らす物流方式です。

積み替えが減ることで、荷役時間の短縮や作業負担の軽減につながります。

パレット 課題
パレット 課題

従来のパレット運用上の課題

従来のパレット運用には、管理・回収・標準化の面で課題がありました。特に購入パレットでは、自社で保有できる反面、社外へ出た後の管理が難しくなります。

管理・回収の手間が大きい

購入パレットは、自社資産として自由に使える点が特徴です。

しかし、社外へ出荷すると回収管理が必要になります。

  • どの納品先に何枚出ているのか。
  • いつ戻ってくるのか。
  • 破損や紛失がないか。

こうした情報を自社で管理し続ける必要があります。納品先が多いほど、管理は複雑になります。

そのため、パレット回収そのものが現場負担になる場合があります。

パレットが行方不明になりやすい

パレットは、発荷主、運送会社、着荷主、倉庫をまたいで流通します。そのため、管理が不十分だと所在が分からなくなります。納品先で保管されたままになることもあります。

また、別用途に使われ、返却されない場合もあります。購入パレットでは、こうした流出がそのまま損失になります。追加購入や管理工数の増加につながるため、大きな課題です。

特殊形状パレットの容認が標準化を妨げる

従来の現場では、製品や設備に合わせた特殊形状パレットも使われてきました。特定の製品や工程では、専用パレットの方が扱いやすい場合があります。

しかし、特殊な形状が増えると物流全体の標準化は進みにくくなります。パレットサイズが異なると、保管方法も変わります。差込口や高さが異なると、荷役方法も変わります。

その結果、共同輸送や一貫パレチゼーションに対応しにくくなります。自動倉庫、AGV、AMR、パレタイザーとの連携にも影響します。

費用負担や責任範囲があいまいになりやすい

パレット運用では、費用負担の整理も重要です。購入費用だけでなく、回収費、保管費、破損時の対応も発生します。社外へ出したパレットが戻らない場合、誰が負担するのかも問題になります。発荷主、着荷主、運送会社の役割があいまいだと、トラブルにつながります。

そのため、従来のパレット運用では、資材そのものよりも管理ルールが課題になっていました。

レンタルパレットが生まれた背景

背景には、改正物流効率化法の施行があります。また、荷主企業がパレット輸送へ切り替える動きが、需要を押し上げています。また、従来の物流の課題も背景に大きく関わっています。

手荷役中心の物流が限界に近づいた

従来の物流では、手荷役が多く残っていました。段ボールや袋物を、人の手で積み下ろす作業です。

手荷役は時間がかかり、作業者やドライバーの負担も大きくなります。

そのため、物流現場では早くからパレット化の必要性がありました。

ドライバー不足が切り替えを後押し

近年は、ドライバー不足や労働時間規制への対応が課題です。そのため、手荷役や長時間の荷待ちを避ける動きが強まっています。

荷主企業にとっても、荷役負担の大きい現場は不利になりつつあります。

この流れが、レンタルパレット需要の拡大につながっています。

安定した車両確保との関係

物流現場では、車両を安定して確保することも重要です。手荷役や荷待ちが多い現場は、運送会社から敬遠される可能性があります。

一方、パレット輸送に対応すれば、荷役時間を短縮しやすくなります。

そのため、レンタルパレットは車両確保の面でも注目されています。

レンタルパレットのメリット

レンタルパレットと購入パレットは、どちらが優れているというものではありません。使う場所、出荷先、荷姿、回収方法によって向き不向きがあります。

ここでは、それぞれの違いを整理します。

レンタルパレットで荷役時間を短縮できる

レンタルパレットが注目される大きな理由は、荷役時間の短縮です。大型トラック1台分を手荷役で積み込む場合、1.5〜2時間程度かかるとされています。

一方、フォークリフトを使ったパレット輸送では、作業時間を4分の1まで短縮できます。

よって、荷役時間が短くなれば、ドライバーの拘束時間も減らせます。

回収運用の違い

購入パレットでは、出荷後の回収も自社で管理します。納品先が多いほど、返却確認は複雑になります。レンタルパレットでは、回収の仕組みを活用できます。

その結果、拠点ごとの作業ばらつきを減らしやすくなります。

ただし、返却ルールの整備は欠かせません。

標準化と特殊仕様の違い

購入パレットは、特殊仕様に対応しやすい特徴があります。製品や設備に合わせた専用パレットを作ることもできます。

ただし、独自仕様が増えると標準化は進みにくくなります。そのため、レンタルパレットは自由度は下がりますが、標準運用に向いています。

レンタルパレットの導入が進んでいる理由

レンタルパレットの注目度は、供給枚数の伸びにも表れています。今回のニュースでは、利用業界の広がりや共同回収拠点の拡大も示されています。

つまり、レンタルパレットは一部業界だけの取り組みではなくなっています。

レンタルパレットの供給枚数が過去最高を更新した

JPRの2025年度のパレット供給枚数は、5,557万枚でした。前年度比4.7%増となり、過去最高を更新しています。

2020年度以降の年平均成長率2.9%も上回っており、需要の拡大が、数字として明確に表れています。

レンタルパレットの利用業界が広がっている

主な利用業界は、加工食品や日用品分野です。近年は、農産物、冷凍食品、菓子などにも広がっています。

このことから、パレット輸送の必要性が幅広い業種に広がっていることが分かります。

共同回収網が拡大している

レンタルパレットの拡大には、回収網の整備も関係しています。JPRに限定しても、共同回収拠点は、2025年度に3,150か所を超えました。卸売業や小売業の物流センターを中心に拠点が広がっています。

空パレットを効率よく戻せることが、利用拡大を支えています。

レンタルパレットの導入にあたっての確認ポイント

Check!

レンタルパレットを導入する際は、単に借りる枚数を決めるだけでは不十分です。

荷姿、納品先、返却ルール、費用負担を事前に整理する必要があります。

ここでは、導入前に確認すべきポイントをまとめます。

荷姿が標準パレットに合うか

まず確認すべき点は、現在の荷姿です。段ボールサイズ、積み付け段数、重量バランスを確認します。

標準パレットに合わない場合、積み替え作業が残る可能性があります。必要に応じて、包装仕様や積み付けパターンの見直しも必要です。

納品先が受け入れ可能か

次に、納品先の受け入れ体制を確認します。発荷主側だけがパレット化しても、効果は限定的です。納品先にフォークリフトや保管場所がなければ、手作業が残ります。

そのため、着荷主側との事前調整が重要になります。

所在管理と返却ルールを整備できるか

レンタルパレットでは、返却ルールの整備が欠かせません。誰が、いつ、どこへ返却するのかを決める必要があります。

出荷、納品、返却の記録を残すことで、行方不明を防ぎやすくなります。バーコードやRFIDを活用し、所在を見える化する方法も有効です。

特殊形状から標準化できるか

特殊形状パレットを使っている場合は、切り替え範囲を整理します。すべてを一度に標準化する必要はありません。標準化できる工程と、専用パレットが必要な工程を分けて考えます。

将来的な自動化を見据えるなら、標準パレットへの移行は重要です。

費用対効果を確認する

導入時は、レンタル料だけで判断しないことが重要です。荷役時間の短縮、回収管理の軽減、車両確保の安定化も効果に含めます。

また、破損や紛失時の費用も事前に確認しておく必要があります。

総合的に見て、現場全体の負担が減るかを判断することが大切です。

まとめ

従来のパレット運用では、購入後の保管や回収、行方不明、破損対応などの管理負担が課題でした。また、特殊形状パレットの使用により、物流標準化が進みにくい面もありました。

レンタルパレットは、こうした課題を軽減する有効な手段です。必要な枚数を借りて使えるため、初期費用や保管負担を抑えやすく、標準規格のパレット活用によって荷役や輸送の効率化も期待できます。

ただし、導入時には荷姿、納品先の受け入れ体制、返却ルールを事前に確認することが重要です。レンタルパレットは、物流標準化と荷役時間削減を進めるための現実的な選択肢といえます。

参考記事:https://www.logi-today.com/948899

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