近年の少子高齢化により、溶接などの製造業において、人材不足が深刻化しています。また、生産現場の生産性を向上させて製品のコスト競争力を強化することは、製造業界において最重要課題のひとつです。
今回は、「溶接接合教室-基礎を学ぶ-4-5 溶接・接合施工システム(自動機とロボット)」から溶接の自動化について解説していきます。
目次[]
溶接自動化の定義とは?
自動溶接の定義
自動溶接は、JIS Z3001に基づき、「操作者が常時操作せずとも連続的に溶接を進行できる装置を用いた溶接」と定義されます。
機械化溶接の定義
機械化溶接は「部品供給やクランプ、回転などの操作を機械化した溶接」とされています。さらに、ASME規格では溶接施工法を「Automatic」「Machine」「Semi-Auto」「Manual」に分類しています。
ロボット溶接の定義
ロボット溶接は、自動溶接を高度化したもので、JIS Z3001では「産業用ロボットを用いて行う自動溶接」と定義されます。これにはロボットアーク溶接やスポット溶接が含まれます。JIS B0134では産業用ロボットを「自動制御で動作し、プログラムにより各種作業を実行できる機械」と定義しています。
溶接の自動化の定義をまとめると?
溶接士の動きを機械に置き換えた「機械化溶接」に、連続的な制御機能を追加したものが「自動溶接」であり、それをさらに発展させたのが「ロボット溶接」です。ロボット溶接は、3軸以上の動作自由度を持ち、動作と溶接条件の教示・記憶・再生機能を備えた自動溶接装置を指します。
日本は溶接の自動化が遅れている?
MAG/MIG溶接の自動化率とロボット化率について調査した結果、形状が特定しやすいパイプラインや鉄鋼では自動化がほぼ100%に達しています。しかし一方、形状が多様な機械では自動化率が約20%と低い。
製品分類 | 自動化率 | 理由 |
---|---|---|
パイプライン | 約100% | 専用機導入により、全工程の完全自動化が可能。 |
鉄鋼 | 約100% | 特定形状が多く、効率的な自動化が実現可能。 |
機械部品 | 約20% | 多様な形状が存在し、自動化の設定や対応が困難。 |
海外は溶接の自動化が進んでいるの?
海外における溶接の自動化率は、地域や産業によって大きく異なります。自動車産業では、自動化が進んでおり、溶接がロボットによって行われています。
一方、建設や造船などの分野では、製品の多様性や複雑性から、自動化が遅れています。しかし、近年、AIや協働ロボットの登場により、これらの分野でも自動化の取り組みが進行中です。
産業用ロボットで多品種少量生産の自動化をすると?
自動化が進んでいる産業では、産業用ロボットを用いた大規模な自動化が大部分です。多品種少量生産を自動化するにあたって何が問題となるのか?
教示作業(ティーチング)に時間とコストがかかる
ワークが頻繁に切り替わると、ロボットに新たな動きを教示させる必要が出てきます。教示作業を外注するたびに費用や時間がかかるため費用対効果が見込めません。産業用ロボットでは多様なワークに対応するのに時間とコストがかかるため、柔軟性の高いロボットを導入する必要があります。
作業者の負担が増加する
複雑な設定や運用の知識が求められるため、トレーニングコストや時間が増加します。そのため、簡単にプログラムを教示でき、一度教示した作業を簡単に再生できる、扱いやすいロボットである必要があります。
協働ロボットであれば多品種の自動化が可能
ロボットの種類 | 協働ロボット | 産業用ロボット |
---|---|---|
人との協働 | 人と同じ空間で安全に作業可能。接触時に自動停止 | 人と隔離して作業する。柵や隔離が必要 |
安全性 | 安全センサーや動作制御を装備し、安全に人と作業 | 高速で強力な動作を行うため、人と同じ空間での使用は危険 |
操作のしやすさ | 直感的に操作可能で、簡単なプログラム変更ができる | 高度なプログラミングスキルが必要で、専任の技術者が必要 |
可搬重量と速度 | 可搬重量が軽く、動作速度も安全性を考慮して低速 | 高い可搬重量と高速動作が可能で、大量生産に適している |
設置の柔軟性 | 省スペースに設置可能で、柔軟に運用可能 | 設置には広いスペースと安全柵が必要 |
用途 | 多品種少量生産や変種変量が求められる現場で有効 | 大量生産や高精度な作業に特化 |
コスト | 比較的低コストで導入可能 | 導入コストが高く、維持費もかかる |
iCOM技研の協働ロボットは何が違う?
前述の課題を解決するためにはiCOM技研の提供するロボットが最適です。iCOM技研独自のソフトウェアによる教示作業の簡便化・効率化を実現します。また、協働ロボットの実機を用いたロボットスクールを実施して教示作業に係るコスト・時間を大幅に削減します。そして、自社の人材で協働ロボットが運用できます。
多品種少量生産でも柔軟に対応できる
iCOM技研では誰もが簡単に教示作業を行える独自ソフトウェアを提供しています。それにより、加工物(ワーク)が変わって新たに教示を行う際もすぐ教示作業を終えることができます。
簡便な教示作業
弊社の独自ソフトウェアにより従来の教示にかかる時間を1/10にできます。また、初心者でも教示作業が可能な仕様になっております。
また、協働ロボットであれば、安全柵を必要としないため、近くで教示作業を行う事ができます。(ダイレクトティーチング)
iCOMのロボットスクールで安心の導入
iCOM技研では、自社でロボットスクールを運営しております。さらに、弊社では協働ロボットの実機を用いた教育を提供しています。導入を検討しているが扱えるかわからないとなどの不安を解消します。このように弊社では協働ロボット安心して導入していただくことができます。
iCOM技研の取り組み
デモ依頼はこちら
カタログがご入用のお客様は、カタログダウンロードよりダウンロードしてください。
デモ依頼・お問い合わせお客様は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
下記よりお気軽にご依頼ください、日時については弊社担当者からご連絡の上、調整いたします。