先日経済産業省から2026年の補助金に関する概要が発表されました。こちらの概要にものづくり補助金の記述があったため、2026年ものづくり補助金は確実に実施されます。
今回は、2026年ものづくり補助金の概要・変更点・スケジュール・申請のポイントなどをまとめて解説します。また、最新情報が出るたび反映させていきます。

ものづくり補助金22次公募要領
現在公開されている公募要領をまとめましたのでぜひご活用ください。
2026年ものづくり補助金の申請を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次[]
ものづくり補助金は2026年も実施!

本補助金は、中小企業や小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの省力化を通じて生産性向上を図るための設備投資等を支援する制度です。また、2026年も実施が予定されており、補助上限額は4,000万円、収益納付は求められないとされています。
【2026年度】第22次公募における主な変更点
第21次以降の公募では、従業員要件や賃上げ基準など、採択に直結する重要な変更が加わりました。以下に第20次公募との違いを整理します。

従業員要件
- 第21次から実際に給与支給されている従業員が最低1名必要となりました。応募申請時に従業員が0名の場合、対象となる給与が存在しないため応募不可です。
補助率の引き上げ
最低賃金の引き上げに取り組む事業者に対し、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。
対象条件:
- 地域別最低賃金+50円以上の従業員が全体の30%以上
- 条件を満たした場合、補助金額が大幅に増額
補助事業の主たる実施場所
- 「補助事業の主たる実施場所」の登録が必須になり、交付申請時にはその事業所の最低賃金を報告しなければなりません。
- 「補助事業の主たる実施場所」とは、補助対象経費となる機械装置等を設置する場所、または格納、保管等により主として管理を行う事業場(事業所)をいいます。
- 事業所が複数ある場合は、導入する機械設備等の補助金額が最も大きい事業場、同額の場合は従業員数が多い方を登録します。
他の補助金・助成金との併願
- 併願することは可能です。
- 以下の場合は対象外です。
(1) 本補助金の申請締切日を起点として16か月以内に、新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金のいずれかの補助金の交付候補者として採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)。または、
(2) 申請締切日時点において上記補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者。- 複数の補助金に採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して交付申請を行うことが必要です。選択をせずに、複数の補助金を受領していたことが発覚した場合、交付決定日の遅い方の交付決定が取消しとなります。
【2026年】ものづくり補助金22次の要件
製品・サービス高付加価値化枠【補助対象事業枠】
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品やサービスの開発に必要な設備・システムなどの導入を支援する枠組みです。
また、単に機械装置・システム等を導入し、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません。
補助金額:100万円~最大3,500万円
補助金額は、従業員数に応じて変動します。
下限は一律100万円ですが、従業員数が多いほど上限額が引き上げられます。
さらに、「大幅な賃上げ」の特例を適用することで、上限額を引き上げることができます。
| 従業員数 | 補助金額(通常) | 「大幅な賃上げ」特例適用時 |
| 5人以下 | 100~750万円 | ~850万円 |
| 6~20人 | 100~1,000万円 | ~1,250万円 |
| 21~50人 | 100~1,500万円 | ~2,500万円 |
| 51人以上 | 100~2,500万円 | ~3,500万円 |
補助上限は以下の通りです。()内が大幅賃上げ特例を達成した場合です。
グローバル枠【補助対象事業枠】
グローバル枠は、海外事業によって国内の生産性を高めるために必要な設備・システム投資などを支援する枠組みです。
補助金額
補助金額:100~3,000万円(特例適用時、最大4,000万円)
グローバル枠の補助金額は、従業員数によらず一律で受給できます。
「大幅な賃上げ」の特例を適用することで、上限額を最大1,000万円まで引き上げることができます。。
以下のいずれかの海外事業が補助対象となります。
- 海外企業との共同で行う事業
- 海外への直接投資に関する事業
- 海外市場開拓(輸出)に関する事業
- インバウンド対応に関する事業
対象経費
ものづくり補助金の対象経費としては以下のようなものが挙げられます。
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
グローバル枠では、これらに加えて海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も対象となります。

ものづくり補助金22次公募要領
現在公開されている公募要領をまとめましたのでぜひご活用ください。
最低賃金引上げ特例の対象企業が拡大

ものづくり補助金21次公募の最低賃金引上げ要件は以下の通りです。要件を満たす事業者は通常1/2の補助率が2/3に引き上げられます。
≪現行≫
2023年10月~2024年9月までの間で、3ヶ月以上、地域別最賃+50円以内で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いること
今年度の最賃引上げ額は、全国加重平均で66円の引上げとなっており、これまで最賃が低く抑えられていた地域では、さらにそれを上回る引上げ額となっています。それを踏まえ、以下のように対象企業を拡大する要件緩和が行われます。
≪改定後≫
一定期間において、3ヶ月以上改定後の地域別最賃未満で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いること
これらの要件を達成できない場合、補助金の返還義務が生じる可能性があります。
注意点
業種ごとに同業の中小企業者等(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)において既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しませんので注意しましょう。
加点項目の追加による審査での優遇ポイント

また、おなじく、ものづくり補助金、IT導入補助金、省力化補助金(一般型)について、新たに2つの加点措置が導入され、優先採択が行われます。
≪新たに導入される加点措置≫
①上述の最低賃金引上げ特例の対象となっている(一定期間において、3ヶ月以上改定後の地域別最賃未満で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いる)事業者
②一定期間において、事業場内最賃を「全国目安で示された最低賃金の引上げ額(63円)」以上の賃上げをする事業者
①については、最低賃金引上げ要件を満たす事業者は、補助率も引上げとなり、加点の対象にもなるということです。
②について補足すると、地域別最低賃金は、まず中央最低賃金審議会が示す引上げ目安をもとに、各地方最低賃金審議会で話し合われ、最終的には各都道府県の労働局長が具体的な額を決定します。この目安額は、地域によって63円と64円で提示されていましたが、多くの地域で目安額以上の引上げで決定しました。
ものづくり補助金2026年公募スケジュール
なお、電子申請で使うGビズIDの作成には2週間前後(場合によっては3週間前後)の期間を要します。直前で作成申請をすると締切に間に合わない恐れがあるため、余裕のあるスケジュールを立てるのがおすすめです。
※21次ものづくり補助金は、すでに募集を終了しています。したがって、現在ものづくり補助金をご検討の方は22次での申請ください。
2026年22次ものづくり補助金の公募スケジュール
| 21次締切 | 2025/10/24 | 2026/1月下旬 |
|---|---|---|
| 22次締切 | 2026/1/30 | 2026/4月下旬 |
なお、電子申請で使うGビズIDの作成には2週間前後(場合によっては3週間前後)の期間を要します。また、直前で作成申請をすると締切に間に合わない恐れがあるため、余裕のあるスケジュールを立てるのがおすすめです。
ものづくり補助金の採択数と採択率
| 総計 | 省力化(オーダーメイド)枠 | 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 | |
|---|---|---|---|---|
| 申請者数 | 5,777 | 599 | 5,015 | 163 |
| 採択者数 | 2,070 | 204 | 1,827 | 39 |
| 採択率 | 約36% | 約34% | 約36% | 約24% |
ものづくり補助金採択率の推移

申請の流れと注意点

対象確認
公募要領を確認し、自社が対象となるかを判断します。事前に要件を満たしているかをチェックしましょう。
GビズIDの取得
電子申請にはGビズIDが必須です。取得までに時間がかかるため、早めに準備しましょう。
交付決定後に事業開始
補助金申請前の事業開始は補助対象外になるため、必ず交付決定を待ちましょう。
実績報告の提出
事業完了後、必要な書類を提出することで補助金を受け取る準備が整います。
事業計画の遂行
3~5年の計画を立て、毎年の報告書を提出することで継続的な支援を受けられます。
ものづくり補助金でよくある質問
Q. 同じ年度内で、2回申請することは可能?
A. 同じ年度内でも、異なる締切回なら過去に採択されたことがあっても対象となります。ただし、いくつか制限があります。
例えば、申請締切日を起点に、過去3年間交付を受けている事業者は減点対象です。また、申請締切日時点で補助事業実施中や、申請締切日を起点に14ヶ月以内に採択されていたり、過去3年間に2回交付決定を受けている場合は、原則として対象外となりますので注意が必要です。
また、同一締め切り回において、複数申請を行うことはできません。さらに、過去にものづくり補助金に応募し、不採択になった場合は、再度応募可能ですので、事業計画などを見直して再チャレンジしましょう。
Q. ものづくり補助金の採択率はどのくらい?
A. ものづくり補助金の採択率は例年約30〜60%と幅があります。ものづくり補助金 18次締切分の採択率は35.8%でした。
2026年も同程度になると予想されますが、変動する可能性もあります。なお、仮に不採択となった場合でも、次回の締切分に再度申請することは可能です。
Q. ものづくり補助金 2025年の実施は何回?
A. 2025年11月現在では、すでに21次の申請が終了し、現在22次の公募申請中です。
| 21次締切 | 2025/10/24 | 2026/1月下旬 |
|---|---|---|
| 22次締切 | 2026/1/30 | 2026/4月下旬 |
今後も、2026年内に複数回の公募が見込まれます。続報が出ましたらこちらの記事に掲載します。
Q. 機械装置等の納期が遅れなどで、補助事業実施期間内に事業を終えることができないとどうなる?
A. 補助事業は原則、実施期間内に完了しなければ、交付決定が取り消されます。
ただし、天災など事業者に責任がない理由で完了できない場合、期間内に事故等報告書を提出し、承認を受ければ、実施期間の延長が認められることがあります。
基本的にはスケジュールに遅れないように、計画的に早めに動くようにしましょう。
※出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 よくあるご質問

ものづくり補助金22次公募要領
現在公開されている公募要領をまとめましたのでぜひご活用ください。
申請書類の作成から採択後の報告までサポート!
iCOM技研では、ものづくり補助金・省力化投資補助金等幅広い補助金申請をサポートしております。
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2026年のものづくり補助金(22次公募)は、最低賃金引き上げ特例による補助率2/3や、従業員要件、賃上げ基準の厳格化など、近年の政策動向を反映した内容となっています。特に、省力化・自動化・ロボット導入を後押しする枠組みが強化されている点は、多くの製造業や中小企業にとって大きなメリットです。
また、補助上限額・要件・スケジュールが例年と異なるため、早めの情報収集と準備が採択の鍵となります。
特に以下の点は2026年申請に向けて重要です。
- 従業員要件(最低1名給与支給)の必須化
- 賃上げ要件(最低賃金+30円/+50円で補助率アップ)
- 事業所登録(主たる実施場所)の義務化
- GビズIDは2〜3週間必要なため早期取得が必須
- 過去の補助金採択状況による制限があるため要チェック
2026年の公募は複数回実施が見込まれるものの、準備不足による不採択や申請遅延が毎年多いのも事実です。
事前に公募要領を理解し、必要書類・事業計画づくりを早めに進めることが成功のポイントになります。

