先日経済産業省から2025年の補助金に関する概要が発表されました。こちらの概要にものづくり補助金の記述があったため、2025年ものづくり補助金はほぼ確実に実施されます。
今回は、2025年ものづくり補助金の概要・変更点・スケジュール・申請のポイントなどをまとめて解説します。また、最新情報が出るたび反映させていきます。

ものづくり補助金19次公募要領
現在公開されている公募要領をまとめましたのでぜひご活用ください。
2025年ものづくり補助金の申請を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次[]
ものづくり補助金は2025年も実施!

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの省力化を通じて生産性向上を図るための設備投資等を支援する制度です。2025年も実施が予定されており、補助上限額は4,000万円、収益納付は求められないとされています。

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ものづくり補助金2025年度の主要な変更点
補助率の引き上げ
最低賃金の引き上げに取り組む事業者に対し、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。
対象条件:
- 地域別最低賃金+50円以上の従業員が全体の30%以上
- 条件を満たした場合、補助金額が大幅に増額
補助上限額の見直し
従業員数に応じた補助上限額が改定され、特に従業員数21人以上の事業者にはさらなるメリットがあります。
従業員数 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
---|---|---|
5人以下 | 750万円 | 850万円 |
6~20人 | 1,000万円 | 1,250万円 |
21~50人 | 1,500万円 | 2,500万円 |
51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 |
「収益納付は求めない」と明記されている
ものづくり補助金は、中小企業のイノベーションを支援する重要な政策の一つです。その中で、2025年の公募要領において特に注目すべきポイントは、「収益納付は求めない」という明確な方針が示された点です。これは、中小企業の成長を促進するための大きな転換点と言えるでしょう。
収益納付とは?
そもそも「収益納付」とは何でしょうか。
これは補助金適化法を根拠とした仕組みで、補助金を活用して得た成果が事業化され、収益が生じた場合、補助金交付額を上限にその収益の一部または全部を国庫に返納する義務を指します。この制度は、補助金が適切に活用されるよう管理する目的で設けられたものです。
2023年度と2024年度以降の方針の違い
例えば、2023年度補正予算の公募要領には次のように明記されていました。
「事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません。」
一方で、2024年度補正予算をもとに中小企業庁が発表した資料では、
「収益納付は求めません」
と明確に記載されています。
なぜ方針転換が行われたのか?
この変更について、中小企業庁イノベーションチームは次のように説明しています。
「中小企業の成長を加速させるという観点から、財務当局と調整した結果、収益納付を求めないこととなりました。」
つまり、この新方針には、中小企業が得た収益をそのまま事業拡大や成長戦略に活用できるようにする狙いがあります。
2025年に向けた期待
このような制度変更により、中小企業は補助金を最大限に活用しながら、得た利益を再投資することでさらなる成長を目指せる環境が整いつつあります。
また、「収益納付がない」という点は、補助金活用に二の足を踏んでいた企業にとって、大きな後押しとなるでしょう。
ものづくり補助金2025年の要件

これらの要件を達成できない場合、補助金の返還義務が生じる可能性があります。
省力化(オーダーメイド)枠
概要: ICT、IoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、専用設備による生産プロセスやサービス提供方法の改革を支援。
補助上限額・補助率:
- 5人以下: 750万円(1,000万円)、補助率1/2、小規模・再生2/3
- 6~20人: 1,500万円(2,000万円)
- 21~50人: 3,000万円(4,000万円)
- 51~99人: 5,000万円(6,500万円)
- 100人以上: 8,000万円(1億円)
申請要件: 3〜5年の事業計画を策定し、年平均成長率3%以上、給与支給総額年平均成長率1.5%以上、最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にすることなど。
製品・サービス高付加価値化枠【補助対象事業枠】
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品やサービスの開発に必要な設備・システムなどの導入を支援する枠組みです。革新的な新製品・新サービス開発とは、顧客等に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力等を活かして新製品・新サービスを開発することを指します。
また、単に機械装置・システム等を導入し、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません。
業種ごとに同業の中小企業者等(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)において既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しませんので注意しましょう。

補助上限は以下の通りです。()内が大幅賃上げ特例を達成した場合です。
中小企業向けの補助率は基本的に1/2ですが、指定する一定期間において、3ヵ月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる場合は、最低賃金引上げ特例で、2/3となります。
グローバル枠【補助対象事業枠】
グローバル枠は、海外事業によって国内の生産性を高めるために必要な設備・システム投資などを支援する枠組みです。
以下のいずれかの海外事業が補助対象となります。
海外企業との共同で行う事業
海外への直接投資に関する事業
海外市場開拓(輸出)に関する事業
インバウンド対応に関する事業
補助上限額 | 3,000万円 |
補助率(中小企業) | 1/2 |
補助率(小規模事業者) | 2/3 |
グローバル枠の補助上限は3000万円で、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者で2/3となります。
対象経費
ものづくり補助金の対象経費としては以下のようなものが挙げられます。
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
グローバル枠では、これらに加えて海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も対象となります。
ものづくり補助金2025年度公募スケジュール
年度 | 公募回 | 公募締切日 | 採択発表日 |
---|---|---|---|
2024年度 | 19次 | 2025年1~3月頃 | 2025年5月頃 |
20次 | 2025年6月頃 | 2025年8月頃 | |
2025年度 | 21次 | 2025年9月頃 | 2025年11月頃 |
22次 | 2025年12月頃 | 2026年2月頃 | |
23次 | 2026年3月頃 | 2026年5月頃 |
2025年19次ものづくり補助金の公募スケジュール
19次 | |
---|---|
公募開始 | 2025年2月14日(金) |
電子申請受付 | 2025年4月11日(金)17:00~ |
申請締切 | 2025年4月25日(金)17:00まで |
補助金交付候補者決定 | 2025年7月下旬頃(予定) |
補助事業実施期間 | 枠により異なる |
なお、電子申請で使うGビズIDの作成には2週間前後(場合によっては3週間前後)の期間を要します。直前で作成申請をすると締切に間に合わない恐れがあるため、余裕のあるスケジュールを立てるのがおすすめです。
ものづくり補助金の採択数
総計 | 省力化(オーダーメイド)枠 | 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 | |
---|---|---|---|---|
申請者数 | 5,777 | 599 | 5,015 | 163 |
採択者数 | 2,070 | 204 | 1,827 | 39 |
採択率 | 約36% | 約34% | 約36% | 約24% |
ものづくり補助金採択率の推移

申請の流れと注意点

対象確認
公募要領を確認し、自社が対象となるかを判断します。事前に要件を満たしているかをチェックしましょう。
GビズIDの取得
電子申請にはGビズIDが必須です。取得までに時間がかかるため、早めに準備しましょう。
交付決定後に事業開始
補助金申請前の事業開始は補助対象外になるため、必ず交付決定を待ちましょう。
実績報告の提出
事業完了後、必要な書類を提出することで補助金を受け取る準備が整います。
事業計画の遂行
3~5年の計画を立て、毎年の報告書を提出することで継続的な支援を受けられます。
申請書類の作成から採択後の報告までサポート!
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まとめ
2025年度のものづくり補助金は、補助率の引き上げや補助上限額の増額、収益納付の廃止など、事業者にとって非常に魅力的な内容になっています。特に中小企業が新しい設備投資や事業拡大を考える際に、大きな助けとなる制度です。申請手続きには時間がかかるため、早めに準備を進め、補助金を有効活用しましょう。