TUSKROBOTSとは?搬送ロボットの特徴・製品ラインナップ・導入事例を解説

TUSKROBOTSとは?搬送ロボットの特徴・製品ラインナップ・導入事例を解説

産業用ロボット 2026.06.19

TUSKROBOTSは、パレット搬送を中心に、工場や倉庫の構内物流を自動化する搬送ロボットです。平置きパレットの搬送、カゴ台車搬送、工程間搬送、ラック格納、コンベア移載などに活用できます。

物流現場や製造現場では、原材料、仕掛品、完成品、空パレットなどの移動が日常的に発生します。これらの搬送作業を人手やフォークリフトだけに頼ると、作業負担、安全面、搬送効率に課題が出やすくなります。

TUSKROBOTSは、こうした構内搬送を自動化する選択肢として注目されています。本記事では、TUSKROBOTSの概要、製品の特徴、製品ラインナップ、海外導入事例、導入前に確認すべきポイントを解説します。

TUSKROBOTSとは?

TUSKROBOTSとは
画像出典:https://agvgalaxy.com/

TUSKROBOTSは、パレット搬送に特化したAMR・AGF系の搬送ロボットです。AMRは自律走行型搬送ロボット、AGFは自動フォークリフトに近い搬送設備として使われることが多い言葉です。

一般的な搬送ロボットは、棚、専用台車、コンテナなどの搬送を中心に設計されることがあります。一方、TUSKROBOTSは、パレットを直接搬送する用途を重視している点が特徴です。

工場や倉庫では、荷物をパレット単位で扱う場面が多くあります。入荷エリアから保管エリアへ運ぶ作業、生産ラインへ部材を供給する作業、完成品を検査エリアや出荷エリアへ移動する作業などが対象になります。

こうした構内搬送を自動化することで、人手作業やフォークリフト作業の一部をロボットに任せることができます。

TUSKROBOTSの特徴

特徴1:平置きパレットを直接搬送しやすい

TUSKROBOTSの大きな特徴は、平置きパレットを直接搬送しやすい点です。工場や倉庫では、パレットが床に直接置かれているケースが多くあります。

専用台車へ載せ替える方式では、導入前に現場運用を大きく変える必要があります。その点、TUSKROBOTSはパレット搬送を前提にした設計のため、既存のパレット運用に合わせやすいことが強みです。

モデルによって、川の字パレット、田の字パレット、両面パレット、パレティーナ、カゴ台車などに対応します。既存運用を大きく変えずに搬送自動化を進めたい現場に向いています。

特徴2:コンパクト設計で狭い通路でも使いやすい

TUSKROBOTSは、コンパクトな走行設計も特徴です。その場旋回に対応するモデルがあり、限られたスペースでも搬送ルートを組みやすくなります。

一般的なフォークリフトでは、旋回や切り返しに広いスペースが必要です。一方、TUSKROBOTSは狭い通路や限られた作業エリアでの搬送を意識した設計になっています。

既存レイアウトを大きく変更しにくい工場や倉庫では、省スペース性が重要です。通路幅に制約がある現場でも、搬送自動化を検討しやすいロボットといえます。

特徴3:荷物を抱えた状態でも安全性を確保しやすい

搬送ロボットは、人と同じ空間で動くことが多くあります。そのため、搬送能力だけでなく、安全性も重要です。

TUSKROBOTSは、荷物を抱えた状態でも周囲を確認しながら走行することを想定しています。人、フォークリフト、台車が混在する現場では、単に搬送できるだけでは不十分です。

停止、減速、警告、障害物検知、動線分離を含めた安全設計が重要になります。TUSKROBOTSは、安全性と省スペース搬送を両立しやすい搬送ロボットとして検討できます。

TUSKROBOTSの製品ラインナップ

搬送物、パレット種類、通路幅、リフトの有無によって、適したモデルは変わります。ここでは、各製品の特徴と主要スペックを整理します。

TUSK E10-SLAM

TUSK E10-SLAM
TUSKROBOTS

TUSK E10-SLAMは、平置きパレットの水平搬送に対応する搬送ロボットです。川の字パレット、パレティーナ、カゴ台車などの搬送に対応します。

その場旋回が可能なため、運用エリアの省スペース化を図りやすいモデルです。工場や倉庫で、パレット搬送を中心に自動化したい現場に向いています。

項目内容
製品名TUSK E10-SLAM
主な用途平置きパレットの水平搬送
可搬重量1,000kg ※1,500kg版もあり
揚高330mm
旋回必要幅1,800mm
走行速度満載時 6.5km/h、空荷時 7.2km/h
溝・傾斜・段差40mm / 4° / 15mm
誘導方式QR / SLAM
対応搬送物川の字パレット、パレティーナ、カゴ台車
向いている現場平置きパレット搬送が多い工場・倉庫

E08(Omni)

E08(Omni)
TUSKROBOTS

E08(Omni)は、シリーズ内で唯一のオムニタイプとして紹介されているモデルです。車体の向きを変えずに、全方向へ走行できます。

横方向や斜め方向へ移動できるため、通常の旋回が難しい場所でも柔軟に搬送ルートを設計できます。長尺物を載せた台車や、6輪台車のような搬送物にも適しています。

項目内容
製品名E08(Omni)
主な用途全方向移動による柔軟な水平搬送
可搬重量1,000kg
揚高330mm
旋回必要幅1,800mm ※車体角度を変えない場合は1,682mm
走行速度満載時 4.3km/h、空荷時 4.8km/h
溝・傾斜・段差40mm / 4° / 15mm
誘導方式QR / SLAM
対応搬送物川の字パレット、パレティーナ、カゴ台車、長尺台車
向いている現場狭い通路や方向転換が難しいエリア

TUSK T10-SLAM

TUSK T10-SLAM
TUSKROBOTS

TUSK T10-SLAMは、田の字パレットに対応するモデルです。川の字パレットだけでなく、田の字パレットを扱いたい現場で検討できます。

専用台車を使わずに、既存のパレット運用を活かした搬送自動化を進めやすいモデルです。水平搬送特化型のAGFとしても活用できます。

項目内容
製品名TUSK T10-SLAM
主な用途田の字パレットを含む水平搬送
可搬重量600kg
揚高315mm
旋回必要幅2,000mm
走行速度満載時 4.3km/h、空荷時 5.4km/h
溝・傾斜・段差40mm / 4° / 15mm
誘導方式SLAM
対応搬送物田の字パレット、川の字パレット、パレティーナ、カゴ台車
向いている現場田の字パレットを使う工場・倉庫

TUSK FL10-SLAM

TUSK FL10-SLAMTUSKROBOTS

TUSK FL10-SLAMは、リフト機能を搭載したモデルです。水平搬送だけでなく、ラック格納やコンベア移載にも対応します。

その場旋回や横向き走行が可能で、狭いラック間での荷扱いを想定しています。床面搬送だけでなく、保管設備やコンベアと連携したい現場に向いています。

項目内容
製品名TUSK FL10-SLAM
主な用途ラック格納、コンベア移載、水平搬送
可搬重量1,000kg ※1,600mm以上リフトアップ時は800kg
揚高2,500mm ※800kg未満 / 1,600mm ※800kg以上
旋回必要幅2,100mm ※横向き走行により1,850mmのラック間で走行可能
走行速度満載時 3.6km/h、空荷時 4.3km/h
溝・傾斜・段差20mm / 2° / 10mm
誘導方式QR / SLAM
対応搬送物両面パレット、田の字パレット、川の字パレット、パレティーナ
向いている現場ラック格納やコンベア移載を自動化したい現場

TUSKROBOTSと他の搬送ロボットの違い

TUSKROBOTSと他の搬送ロボットの違い
Male businesspersons who think in terms of comparing A and B.

搬送ロボットには、AMR、自動フォークリフト、AGVなどさまざまな種類があります。

ただし、それぞれ得意な用途は異なります。

TUSKROBOTSは、特にパレット搬送や工程間搬送を重視した搬送ロボットです。

そのため、平置きパレットを直接搬送したい現場や、既存レイアウトを大きく変えずに搬送自動化を進めたい現場で検討しやすい製品です。

TUSKROBOTSと一般的なAMRの違い

一般的なAMRは、棚、台車、コンテナ、小物搬送などに使われることが多い搬送ロボットです。

一方、TUSKROBOTSはパレット搬送を重視しています。

パレットを直接扱いたい現場では、一般的なAMRよりもTUSKROBOTSの方が適している場合があります。

比較項目TUSKROBOTS一般的なAMR
主な搬送対象パレット、カゴ台車、パレティーナ棚、台車、コンテナ、小物
得意な用途平置きパレット搬送、工程間搬送小物搬送、棚搬送、台車搬送
パレット直接搬送対応しやすい製品によっては非対応
現場レイアウト既存パレット運用に合わせやすい専用台車が必要な場合がある
向いている現場パレット搬送が多い工場・倉庫小物搬送や棚搬送が多い現場

TUSKROBOTSと自動フォークリフトの違い

自動フォークリフトは、高所への格納や重量物搬送に強みがあります。

一方で、本体が大きく、通路幅や旋回スペースが必要になる場合があります。

TUSKROBOTSは、低床でコンパクトな搬送を重視しているため、床面搬送や工程間搬送を中心に考える現場で使いやすい製品です。

比較項目TUSKROBOTS自動フォークリフト
主な用途床面搬送、工程間搬送高所格納、重量物搬送
本体サイズ比較的コンパクト大きくなりやすい
必要な通路幅狭い通路でも検討しやすい広い通路や旋回スペースが必要
高所格納機種により限定的得意
向いている現場平置きパレット搬送が多い現場ラック格納や重量物搬送が多い現場

TUSKROBOTSとAGVの違い

AGVは、決められたルートを走行する搬送設備です。

工場内で同じルートを繰り返し搬送する場合には有効です。

一方で、ルート変更や柔軟な運用には制約が出る場合があります。

TUSKROBOTSは、QRやSLAMなどの誘導方式を活用し、現場条件に合わせた搬送ルートを検討しやすい点が特徴です。

比較項目TUSKROBOTSAGV
走行方式QR、SLAMなどに対応磁気テープ、QR、ガイド走行など
ルート変更比較的柔軟に検討しやすい固定ルート中心になりやすい
得意な用途パレット搬送、工程間搬送定ルートの反復搬送
導入後の変更現場条件に合わせて調整しやすいレイアウト変更時に手間がかかる場合がある
向いている現場搬送ルートを柔軟に運用したい現場決まったルートを安定搬送したい現場

TUSKROBOTSの導入事例

以下に、TUSKROBOTSの導入事例をまとめてみました。

EC物流での導入事例

EC物流では、商品の種類が多く、出荷までのリードタイムも短くなっています。

そのため、倉庫内の搬送効率が重要になります。

公開されている事例では、大手EC企業の物流倉庫でTUSKROBOTSが活用されています。

パレット搬送ロボットの導入により、作業効率が向上し、作業負担の軽減にもつながったとされています。

人が長距離を移動して搬送していた作業をロボットに置き換えることで、倉庫内物流の効率化を進めた事例です。

自動車電子機器業界での導入事例

自動車電子機器業界でも、TUSKROBOTSの導入事例があります。

公開事例では、原材料や完成品の工程間搬送を自動化しています。

生産ラインへの部材供給や完成品の移動をロボット化することで、物流作業の効率化につなげています。

また、搬送指示や搬送状況をシステムと連携することで、工場内物流の見える化も進めています。

人とフォークリフトに依存していた工程を見直した事例として参考になります。

エレクトロニクス業界での導入事例

エレクトロニクス業界での導入事例
画像出典:https://www.softbankrobotics.com/jp/product/logistics/tusk/

エレクトロニクス業界では、部品点数が多く、搬送タイミングの精度が重要です。

公開事例では、電子メーカーにおいてTUSKROBOTSが活用されています。

1台で1時間あたり16枚のパレットを搬送できる事例も紹介されています。

部品や製品の搬送ミスを減らし、搬送タイミングを安定させたい現場に向いた事例です。

製薬業界での導入事例

製薬業界では、衛生管理や工程管理の観点から、人の出入りや搬送作業を厳密に管理する必要があります。

公開資料では、製薬業界向けにTUSKROBOTSを活用した事例も紹介されています。

自動ドアや消毒設備との連携、冷却工程のタイミング管理、特殊形状の搬送体への対応が示されています。

成果として、冷却タイミング精度の向上や効率改善が紹介されています。

単なる搬送だけでなく、工程管理や設備連携まで含めた活用事例といえます。

TUSKROBOTS導入によるメリット

TUSKROBOTSを導入することで、搬送作業の省人化が期待できます。特に、毎日繰り返し発生する水平搬送はロボット化しやすい作業です。作業者が歩いて運ぶ時間を減らせば、より付加価値の高い作業へ人を配置できます。

構内搬送をすべてフォークリフトに依存している現場では、作業者確保や安全面の課題があります。TUSKROBOTSを活用すれば、平置きパレットやカゴ台車の搬送を一部自動化でき、フォークリフトは高所作業や重量物作業など、必要な作業に集中しやすくなります。

また、既存倉庫や工場では、通路幅に余裕がないことがあります。TUSKROBOTSは、コンパクト設計やその場旋回を特徴としているため、狭い通路でも検討しやすい製品です。

搬送ロボットを導入すると、搬送履歴や稼働状況をデータ化しやすくなります。このデータは、搬送ルートの改善やボトルネック分析にも活用できます。構内物流を見える化したい現場にとって、ロボット導入は有効な手段です。

TUSKROBOTSが向いている現場

TUSKROBOTSは、パレット搬送が多い現場に向いています。入荷、保管、生産供給、完成品搬送、出荷まで、パレット単位の移動が多い現場では効果を出しやすくなります。

人がハンドリフトや台車で長距離搬送している現場にも向いています。移動距離が長いほど作業者の負担は大きくなり、搬送に時間を取られることで本来の作業に集中しにくくなります。

通路が狭く、フォークリフトの旋回やすれ違いに課題がある現場にも適しています。TUSKROBOTSは、その場旋回や横向き走行に対応するモデルがあるため、従来のフォークリフトでは難しい場所でも自動搬送を検討しやすくなります。

また、既存レイアウトを大きく変えにくい現場にも向いています。専用台車への置き換えや大規模なレイアウト変更を避けたい現場では、既存パレットに対応しやすい搬送ロボットが有効です。

導入前に確認すべきポイント

導入前には、使用しているパレットの種類を確認する必要があります。川の字パレットなのか、田の字パレットなのか、両面パレットなのかによって、適したモデルが変わります。パレットの寸法や開口高さも確認が必要です。

搬送物の重量も重要です。TUSKROBOTSのモデルによって可搬重量が異なるため、最大重量だけでなく、通常重量、偏荷重、荷姿のばらつきも確認する必要があります。

通路幅と旋回スペースも確認が必要です。カタログ上の旋回必要幅を満たしていても、現場には柱、棚、設備、作業者動線があります。実際のレイアウト上で安全に走行できるかを確認することが重要です。

搬送ロボットは、床面状態の影響も受けます。段差、溝、傾斜、凹凸、滑りやすさなどを確認し、現場の床面条件がロボット仕様に合っているかを事前に確認します。

WMSやMES、生産管理システムと連携する場合は、どのシステムから搬送指示を出すのか、どのタイミングで搬送完了を返すのか、エラー時に誰が復旧するのかを決めておく必要があります。

TUSKROBOTSに関するよくある質問

TUSKROBOTSに関するよくある質問

TUSKROBOTSはどのような搬送物に対応していますか?

モデルによって異なりますが、川の字パレット、田の字パレット、両面パレット、パレティーナ、カゴ台車などに対応します。ただし、パレット形状や寸法によって適合可否が変わるため、事前確認が必要です。

TUSKROBOTSは狭い通路でも使えますか?

その場旋回や横向き走行に対応するモデルがあり、狭い通路でも検討しやすい製品です。ただし、実際には通路幅、柱、棚、作業者動線、床面状態を確認する必要があります。

TUSKROBOTSはフォークリフトの代替になりますか?

一部の水平搬送や工程間搬送では、フォークリフト作業を置き換えられる可能性があります。ただし、高所格納や特殊荷役まで完全に置き換えるには、用途に合ったモデル選定が必要です。

TUSKROBOTSの価格は公開されていますか?

公開情報では、具体的な価格は確認しにくい状況です。モデル、台数、システム連携、現場工事、保守内容によって費用が変わるため、個別見積りになると考えられます。

導入前に実機テストは必要ですか?

実機テストは重要です。特に、パレット形状、床面状態、通路幅、旋回スペース、搬送重量は、実際の現場で確認する必要があります。カタログ上では対応できる条件でも、現場環境によって運用性が変わることがあります。

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