近年、協働ロボットの導入が拡大しています。ロボットは、人間と同じ空間で安全に作業することができ、製造業のみならず物流や医療など様々な分野で注目されています。最新の調査*によると、2033年の世界市場は3兆円規模に達する見込みです。本ブログでは、そんな協働ロボット市場の拡大要因と今後の展望について考察します。
*矢野経済研究所調べ
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協働ロボット市場の現状と今後の傾向
協働ロボット導入拡大の兆し
協働ロボットはその柔軟性と安全性から、多様な作業に対応できる点が大きな魅力です。人間と同じ空間で動作できるため、零細企業や中小企業、新たなエンド市場への導入が期待されています。調査*によれば、現在協働ロボットを利用している企業の数は製造業だけでなく、物流や医療分野でも増加傾向にあります。
*ロボット導入・投資意向調査
産業用ロボットと協働ロボットの導入計画の比較
日経「ロボット導入・投資意向調査」によると、東証プライム上場企業など国内企業の製造業の回答者のうち、現段階で協働ロボットを利用しているのは26社である一方、49社が今後の導入を計画している。同じ製造業でも、一般の産業用ロボットは現段階で80社が利用していると回答したものの、今後の導入計画は57社へと減少する。
協働ロボットのメリットと課題
メリット
協働ロボットの大きなメリットは、省スペースへの設置や運用が比較的容易であることです。製造現場でのレイアウトの自由度が高く、ロボット操作未経験の作業者への負担が少ないため、多品種少量生産にも適しています。したがって、これまでロボット導入が難しかった零細企業や中小企業でも採用しやすくなっています。
課題
協働ロボットは高い安全性を持っていますが、その使用方法が産業用ロボットと変わらない点が課題となっています。
安全への意識は重要ですが、過度に高めすぎると協働ロボットの特長を十分に活かせなくなります。
また、コスト面で産業用ロボットに劣ることから、ティーチングや段取り替えの時間を大幅に短縮する必要があります。
しかし、ティーチングレスやAI技術の進化により、この課題は徐々に解消されつつあります。
協働ロボットの展望や将来性
AI技術による進化
AI技術は協働ロボットの導入を加速させています。さらに、大規模言語モデル(LLM)を活用することで、ロボットは自然言語を理解し、初めてのタスクも実行できるようになります。したがって、従来のティーチング作業が大幅に削減されることが期待されています。
新しい利用法
協働ロボット市場の拡大は今後も続くと予想されます。特に、AI技術の進化によって、様々な分野での応用が進むでしょう。また、RaaS(Robot as a Service)という新しいビジネスモデルも登場し、企業はロボットを所有せずに利用した分だけ支払うことが可能にしました。これにより、初期導入費用の削減が実現し、さらに多くの企業が協働ロボットを採用することが期待されます。
まとめ
このように協働ロボット市場は、AI技術の拡大に伴い更なる発展が期待できます。そして多くの業界が抱える人手不足、多品種少量生産などの課題を解決する糸口になりえるでしょう。様々なソリューションを提供する協働ロボットを一度検討してみてはいかがでしょうか?
iCOM技研の取り組み
我々はSIer事業を展開しており、協働ロボットシステムの導入を行っています。また、協働ロボットの販売からソフトウェア開発、ロボットスクールまで行っています。さらに、2024年からAI開発にも取り組み始めました。
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