IIMT Robotとは?中国の協働ロボットメーカーの特徴・製品ラインナップ・用途を解説

IIMT Robotとは?中国の協働ロボットメーカーの特徴・製品ラインナップ・用途を解説

協働ロボット 2026.08.27

IIMT Robotは、中国・南京を拠点とするロボットブランドです。可搬重量3kgから20kgまでの協働ロボット「CIシリーズ」を中心に、溶接向けロボット、グリッパー、配膳ロボット、清掃ロボットなどを展開しています。

また、協働ロボット単体だけでなく、溶接、パレタイジング、CNCマシンテンディングなどの用途別システムも用意されています。

本記事では、IIMT Robotとはどのようなメーカーなのかを解説します。あわせて、協働ロボットの特徴、製品ラインナップ、用途別パッケージ、導入時に確認したいポイントまで紹介します。

IIMT Robotとは

IIMT Robotとは

IIMT Robotは、中国・南京を拠点とするJiangsu Jitri Intelligent Manufacturing Technology Institute Co., Ltd.が展開するロボットブランドです。

同社は2016年に設立され、協働ロボットを中心に、サービスロボットやスマートファクトリー関連の技術を開発しています。

主力製品は、6軸協働ロボットの「IIMT-CIシリーズ」です。可搬重量3kgの小型モデルから20kgの高可搬モデルまで用意されており、扱うワークや作業範囲に合わせて機種を選択できます。

また、IIMTはロボットアーム単体だけを開発しているメーカーではありません。溶接、工作機械へのワーク投入、パレタイジング、搬送などの自動化システムも展開しています。

IIMT Robotの特徴

IIMTの協働ロボットは、ダイレクトティーチングや衝突検知、外部設備との通信機能を備えています。製造現場で扱いやすい基本機能をそろえている点が特徴です。

操作面では、ロボットアームを直接動かして位置を教えるダイレクトティーチングに対応しています。部品の取り出し位置や置き位置を確認しながら、直感的に動作を設定できます。

また、人や周辺設備との接触を検知する衝突検知機能を備えています。ただし、安全柵の要否はロボット本体だけでは判断できないため、実際の設備ではワークやツールを含めたリスクアセスメントが必要です。

外部設備との連携には、TCP/IPやModbus TCP、デジタルI/O、アナログI/Oを利用できます。PLCや工作機械、カメラなどと接続し、自動化設備の一部として組み込めます。

プログラミングは、ティーチングペンダントによる操作に加え、Lua、C/C++、Python、SDK、ROSなどにも対応しています。そのため、一般的な搬送から上位PCや画像認識と連携した制御まで対応できます。

IIMT Robotの協働ロボット製品ラインナップ

IIMT Robotの協働ロボット製品ラインナップ

IIMTの協働ロボット「CIシリーズ」は、可搬重量3kgから20kgまでの5機種で構成されています。機種選定では、ワークとハンドを合わせた重量を確認します。あわせて、実際の作業位置まで届くリーチも確認する必要があります。

以下では、各機種の特徴と主要スペックを紹介します。

IIMT-CI-03|3kg可搬の小型協働ロボット

IIMT-CI-03|3kg可搬の小型協働ロボット

IIMT-CI-03は、可搬重量3kg、最大リーチ600mmの小型協働ロボットです。本体重量は13kgで、CIシリーズの中では最も小型です。

小型部品の搬送、組立、検査など、広い作業範囲を必要としない工程に使用しやすいモデルです。

項目仕様
可搬重量3kg
最大リーチ600mm
本体重量13kg
繰返し位置決め精度±0.03mm
最大ツール速度0.9m/s

繰返し位置決め精度は±0.03mmです。同じ位置へ繰り返しワークを搬送する工程で、位置精度を確認する際の目安になります。

IIMT-CI-05|5kg可搬・900mmリーチの協働ロボット

IIMT-CI-05|5kg可搬・900mmリーチの協働ロボット

IIMT-CI-05は、可搬重量5kg、最大リーチ900mmの協働ロボットです。本体重量は20.4kgで、CI-03より広い作業範囲をカバーできます。

部品搬送や工作機械へのワーク投入など、比較的軽量なワークを扱う工程に使用しやすいモデルです。

項目仕様
可搬重量5kg
最大リーチ900mm
本体重量20.4kg
繰返し位置決め精度±0.03mm
最大ツール速度1.5m/s

最大ツール速度は1.5m/sです。ただし、実際の設備では常に最大速度で使用するわけではありません。

ワークの安定性や安全条件に合わせて、適切な動作速度を設定します。

IIMT-CI-10|10kg可搬・1,300mmリーチの協働ロボット

IIMT-CI-10|10kg可搬・1,300mmリーチの協働ロボット

IIMT-CI-10は、可搬重量10kg、最大リーチ1,300mmの中型協働ロボットです。

1mを超える作業範囲があるため、比較的大きな工作機械へのワーク投入や、複数箇所への搬送に使用しやすいモデルです。

項目仕様
可搬重量10kg
最大リーチ1,300mm
本体重量32kg
繰返し位置決め精度±0.05mm
最大ツール速度2.0m/s

可搬重量には、ワークだけでなくグリッパーやブラケットなどの重量も含まれます。そのため、実際の選定では、ロボット先端に取り付ける機器を含めた総重量を確認します。

IIMT-CI-16|16kg可搬の高可搬モデル

IIMT-CI-16|16kg可搬の高可搬モデル

IIMT-CI-16は、可搬重量16kg、最大リーチ1,500mmの高可搬協働ロボットです。

中重量物の搬送やパレタイジングなど、CI-10より大きなワークを扱う工程に使用しやすいモデルです。

項目仕様
可搬重量16kg
最大リーチ1,500mm
本体重量50kg
繰返し位置決め精度±0.05mm
最大ツール速度1.6m/s

パレタイジングで使用する場合は、可搬重量だけでは判断できません。必要な積み付け高さや、パレットの奥側まで届くかも確認する必要があります。

IIMT-CI-20|20kg可搬・1,650mmリーチの最大モデル

IIMT-CI-20|20kg可搬・1,650mmリーチの最大モデル

IIMT-CI-20は、CIシリーズで最も可搬重量が大きい20kgモデルです。

最大リーチは1,650mmあり、重量物搬送や広い作業範囲を必要とする工程に対応します。本体重量は64kgあるため、専用架台へ設置して使用する設備に向いています。

項目仕様
可搬重量20kg
最大リーチ1,650mm
本体重量64kg
繰返し位置決め精度±0.05mm
最大ツール速度2.5m/s

20kgまでの先端重量に対応するため、比較的重量のある部品や段ボールの搬送にも使用できます。

IIMT Robotの溶接向けロボット製品ラインナップ

IIMTは、汎用のCIシリーズとは別に、溶接用途を想定したロボットアームも展開しています。

製品には「IIMT-CW-05」と「IIMT-CI-W05」があります。いずれも、溶接トーチを取り付けて使用する用途を想定したモデルです。

IIMT-CW-05|5kg可搬の溶接向けロボット

IIMT Robot

IIMT-CW-05は、可搬重量5kgの6軸溶接向けロボットです。最大リーチは1,400mmで、広い範囲へ溶接トーチを移動できます。

溶接では、ワークを持ち上げる能力よりも、トーチを適切な位置と角度へ動かせることが重要です。1,400mmのリーチを活用できるため、比較的大きなワークの溶接にも対応しやすい構成です。

IIMT Robotのグリッパー製品ラインナップ

IIMTは、協働ロボットの先端へ取り付ける電動グリッパーも単体製品として展開しています。

現在確認できる製品は「Electric Two-Finger Robot Arm Gripper」です。2本の指でワークを挟み、小型部品の搬送や組立などに使用します。

Electric Two-Finger Robot Arm Gripper|電動2指グリッパー

Electric Two-Finger Robot Arm Gripper|電動2指グリッパー

Electric Two-Finger Robot Arm Gripperは、モーターで2本の指を開閉してワークを把持する電動グリッパーです。

最大ストロークは35mm、最大把持力は35N、最大負荷は3kgです。また、24V電源で駆動するため、エア配管を使用せずにロボットハンドを構成できます。

項目仕様
最大ストローク35mm
最大把持力35N
最大負荷3kg
開閉速度0.1m/s
本体重量1.9kg

ロボットへ取り付ける際は、グリッパー本体の1.9kgも可搬重量に含めます。また、実際の選定では、ワーク重量だけでなく、幅や形状、把持面の状態も確認する必要があります。

IIMT Robotのその他の製品ラインナップ

IIMTは産業用ロボットアームだけでなく、飲食店や商業施設、公共施設などで使用するサービスロボットも展開しています。

主な製品には、配膳ロボット、清掃ロボット、消毒ロボット、コーヒーロボットがあります。

配膳ロボット

IIMTの配膳ロボットは、料理や飲料を載せて施設内を自律走行するサービスロボットです。

周囲の障害物を認識しながら目的地まで移動するため、飲食店の厨房から客席への配膳などに使用できます。製品には、オープントレイ型と、食品を収納して運ぶクローズド型があります。

Customized Commercial Intelligent Food Delivery Service Robot

IIMT Robot  Customized Commercial Intelligent Food Delivery Service Robot

Customized Commercial Intelligent Food Delivery Service Robotは、トレイに料理や飲料を載せて搬送する配膳ロボットです。

複数のセンサーを使って自己位置を認識し、障害物を避けながら走行します。最高走行速度は1.5m/sで、Wi-Fiや4Gによる通信にも対応しています。

Closed Delivery Robot

IIMT Robot Closed Delivery Robot

Closed Delivery Robotは、食品や物品を本体内部へ収納して搬送するクローズド型の配膳ロボットです。

トレイが外部へ露出するタイプとは異なり、内容物を囲った状態で搬送できます。そのため、食品を外部に触れにくい状態で運びたい用途に使用しやすい構造です。

清掃ロボット

IIMTの清掃ロボットは、施設内を自律走行しながら床面を清掃するロボットです。

工場、商業施設、オフィスなど、広い床面を繰り返し清掃する用途に使用できます。

Automatic Intelligent 4in1 Cleaning Robot

IIMT Robot Automatic Intelligent 4in1 Cleaning Robot

Automatic Intelligent 4in1 Cleaning Robotは、複数の清掃機能を一台にまとめた自律走行型の清掃ロボットです。

設定したルートに沿って走行しながら床面を清掃します。そのため、広いエリアを定期的に清掃する作業を自動化できます。

消毒ロボット

IIMTの消毒ロボットは、施設内を自律走行しながらUVCを照射するロボットです。

医療施設、工場、研究施設、公共施設など、定期的な消毒が必要な場所での使用を想定しています。

UVC Autonomous Disinfection Robot

IIMT Robot UVC Autonomous Disinfection Robot

UVC Autonomous Disinfection Robotは、設定したエリアを移動しながらUVCを照射する自律走行型の消毒ロボットです。

人が消毒器具を持って巡回する代わりに、ロボットが決められたルートを移動します。そのため、定期的な消毒作業を自動化できます。

コーヒーロボット

IIMTのコーヒーロボットは、ロボットアームを使ってコーヒーの調理や提供を自動化する製品です。

複数のモデルがあり、コーヒー表面へのパターン印刷に対応するタイプと、配達ロボットを組み合わせたタイプが展開されています。

Single Robotic Arm Coffee Robot With Pattern Printing

IIMT Robot Single Robotic Arm Coffee Robot With Pattern Printing

Single Robotic Arm Coffee Robot With Pattern Printingは、ロボットアームでコーヒーを調理し、飲料表面へのパターン印刷まで行うモデルです。

ロゴ、文字、画像などをコーヒー表面へ印刷できます。そのため、飲料の調理と装飾を一つの設備で自動化できます。

IIMT Custom Coffee Robot Barista with Delivery Robot

IIMT Robot IIMT Custom Coffee Robot Barista with Delivery Robot

IIMT Custom Coffee Robot Barista with Delivery Robotは、コーヒーを調理するロボットアームと、自律走行型の配達ロボットを組み合わせたモデルです。

ロボットアームで飲料を作った後、完成したコーヒーを配達ロボットへ受け渡します。その後、配達ロボットが利用者の場所まで移動するため、調理から提供までを一連の流れで自動化できます。

IIMT Robotの用途別パッケージ商品

IIMTはロボット単体だけでなく、特定の工程を自動化するためのパッケージ商品も展開しています。

製造業向けでは、溶接、パレタイジング、CNC工作機械へのワーク投入、段ボールの製函などに対応しています。また、ロボットだけでなく、周辺機器や制御機能まで組み合わせています。

そのため、用途ごとの自動化システムとして導入できます。

協働ロボット溶接システム

協働ロボット溶接システムは、協働ロボットに溶接トーチや溶接電源などを組み合わせたパッケージです。

IIMTでは、ガスシールド溶接やレーザー溶接に対応する構成を展開しています。また、移動式のモデルでは、ロボットをワーク付近まで移動して設置できます。

そのため、大型部品や複数箇所を溶接する工程にも対応しやすくなります。MIG、TIG、スポット溶接などに対応するモデルもあり、対象ワークや溶接方法に合わせて構成を選択します。

協働ロボットパレタイザー

IIMT Robot 協働ロボットパレタイザー

協働ロボットパレタイザーは、段ボールなどの製品を決められた配置でパレットへ積み付けるシステムです。

箱の重量や必要な作業範囲に合わせて、IIMT-CI-10やCI-20などを使用します。また、処理能力は最大10箱/分で、パレット幅300~1,219mm、最小箱サイズ50×50×50mmに対応します。

積み付けパターンはソフトウェアから設定できます。そのため、箱サイズや積み方が変わる場合でも、設定を変更して対応しやすい構成です。

主な仕様内容
処理能力最大10箱/分
対応パレット幅300~1,219mm
最小箱サイズ50×50×50mm
使用ロボット例IIMT-CI-10、CI-20

CNCマシンテンディングシステム

IIMT Robot CNCマシンテンディングシステム

CNCマシンテンディングシステムは、CNC旋盤やマシニングセンタへのワーク投入と、加工後の取り出しを自動化するパッケージです。

協働ロボットにグリッパーやセンサーを組み合わせ、工作機械と信号をやり取りしながらワークを交換します。加工済みワークを取り出し、次の未加工ワークをセットする作業まで自動化できます。

導入時は、ワーク重量だけでなく、チャック位置や扉の開閉方法も確認します。そのうえで、対象となる工作機械に合わせて構成を決めます。

IIMT Robotを導入するときの確認ポイント

IIMT Robotを導入するときの確認ポイント
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IIMT Robotを導入する際は、可搬重量、リーチ、サイクルタイムを実際の工程に合わせて確認します。

可搬重量はワークだけではありません。グリッパーや吸着ハンドなどの重量も含めて考えます。

例えば、10kgのワークに4kgのハンドを使用する場合、ロボットが扱う重量は合計14kgです。そのため、14kg以上を扱える機種が必要です。

リーチについても、最大値だけでは判断できません。実際の設備レイアウト上で、必要な位置まで届くかを確認します。

特に、工作機械への投入やパレタイジングでは、周辺設備との干渉やツール姿勢も重要です。また、最大速度だけでなく、一連の作業にかかる時間も確認します。

可能であれば実ワークを使って検証し、把持の安定性や必要なサイクルタイムを満たせるか確認すると安心です。

IIMT Robotに関するよくある質問

IIMT Robotに関するよくある質問

Q1. IIMT Robotはどこの国のメーカーですか?

IIMT Robotは、中国・南京を拠点とするロボットブランドです。

協働ロボットを中心に、サービスロボットやスマートファクトリー関連のシステムを開発しています。

Q2. IIMTにはどのような協働ロボットがありますか?

IIMT-CIシリーズには、3kg、5kg、10kg、16kg、20kg可搬の5機種があります。

最大リーチは600mmから1,650mmです。小型部品の搬送から重量物のハンドリングまで、ワーク重量と必要な作業範囲に合わせて選択できます。

Q3. IIMT RobotはPythonで制御できますか?

IIMT Robotは、Pythonを利用したプログラミングに対応しています。また、Lua、C/C++、SDK、ROSなどにも対応しています。

そのため、上位PCやカメラなどと組み合わせた制御にも利用できます。ただし、使用できる機能はコントローラーやソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。

外部制御を行う場合は、導入する機体の通信仕様やSDKを確認する必要があります。

Q4. IIMT Robotは安全柵なしで使用できますか?

協働ロボットであっても、必ず安全柵なしで使用できるわけではありません。

ロボットには衝突検知機能がありますが、ワークやツールによって危険性は変わります。例えば、鋭利な金属部品や高温の溶接トーチを扱う場合は、ロボットが停止しても接触そのものに危険があります。

そのため、実際の工程ごとにリスクアセスメントを行います。そのうえで、安全柵、安全センサー、速度制限など必要な対策を決めます。

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