(公財)新産業創造研究機構(NIRO)が主催する産官学交流ミーティングに参加してきました。ここでは、産業界と大学・高専、公設試験研究機関との連携強化をはかり、イノベーション創出に貢献することを目的としています。
今回は、兵庫県立大学大学院工学研究科 準教授 森本先生の外観検査についてのミーティングに参加し、勉強になったことが多々ありましたので概要をご紹介していきたいと思います。
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AIによる外観検査システム
ベーカリースキャン

ベーカリースキャンは、森本教授の代表的な研究で、パンを画像認識により学習データに必要な枚数を数十枚程度まで抑え、専門知識のない店員でも2~3分で登録させられるようなシステムです。
不織布の画像検査システム
この事例は、厚さ1cm以上の不織布の生産過程で発生する埃の混入を検知するシステムです。既存の画像検査システムが高価(数千万)という問題があり、安価なCPUを使い低コストな画像検査システムを構築することで対応しました。
ホコリが混入すると音で知らせ、作業員が除去するという半自動システムでしたが、クレーム件数を0にし、流れが遅い検査工程に作業者を割り当てる必要がなくなったそうです。
油圧機器部品外観検査
異常品の術減率が低いことから、良品学習で検査を行った事例です。AIを使った精密な検出の事例を紹介されておりました。
自動化を目指すうえでのポイント
照明

検出したい対象によって証明の当て方、種類が重要になってきます。
以下のように多くの当て方が存在します。
- 同軸照明
- ローアングル照明
- バー照明
- フラットドーム照明
カメラ

「画像認識は人が認識できるレベルにないものは認識できない」といわれており、いかにわかりやすい画像に処理するかが重要になります。RGBカメラでは区別がつかないものでも、波長が違えば取得できる画像で区別できる場合があります。
- 赤外線カメラ
- ハイパースペクトルカメラ
- AIカメラ(キーエンス)
- 画素値
可視光以外のカメラや、ハイスペックのものだとコストが跳ね上がるものの、画像認識においてはかなり重要な要素の一つになります。
AI外観検査システムの目標精度設定

今回のセミナーで一番印象に残った内容は、
「AIは何でもできる夢の技術ではなく、得意不得意があります。AIで100%を実現することはほぼ不可能。AIシステム導入の目安は、全ての欠陥を見落とさないこと」
です。
特に精度は、
- 過検出率「10%」でも従来の作業効率を落とさない
- 過検出率「5%」で作業効率の改善がみられる
- 過検出率「2%」で十分な精度といえるシステム
以上の3段階でどこまでの精度が必要なのかを判断することが重要です。
まとめ
外観検査システムは、完全自動化ではなく、半自動化を目指すことが重要だとおっしゃられていました。また、どこまでの精度で良しとするかを決めておくことが重要です。半自動化を目指すうえで、人との協働が重要になってくるため、協働ロボットを組み合わせることで相乗効果を発揮するのではないかと思います。
iCOM技研の取り組み
iCOM技研はSIer事業を展開しており、協働ロボットシステムの導入を行っています。弊社は、協働ロボットの販売からソフトウェア開発、ロボットスクールまで行っています。2024年からAI開発にも取り組み始めました。
カメラとAIを使った「分類、物体検出、異常検出、不具合検出」などに取り組み、開発を実施しております。
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