Figure AIとは? 米国発ヒューマノイドの実力と展望

Figure AIとは? 米国発ヒューマノイドの実力と展望

産業用ロボット 2026.05.28

近年、ヒューマノイドロボットへの注目が高まっています。
その中でもFigure AI(フィギュア エーアイ)は、米国発のAIロボティクス企業として、実用化に近いヒューマノイドロボットを開発している企業の一つです。

特に話題となったのが、2026年5月に公開されたヒューマノイドロボットのライブストリームです。これは短く編集されたプロモーション動画ではなく、リアルタイムでロボットが実作業に近い動きを継続する様子を示したことで、大きな注目を集めました。

本記事では、Figure AIの概要、製品の特徴、注目されている理由、そして米国製ヒューマノイドロボットとしての現在地と今後の見通しについて解説します。

Figure AIとは

Figure AIは、米国発のAIロボティクス企業です。汎用ヒューマノイドロボットの開発を進めています。同社は、人と同じ環境で作業できるロボットを目指しています。また、ロボット本体だけでなく、認識、判断、動作制御を担うAI技術も一体で開発しています。

従来の産業用ロボットは、高速で正確な反復作業を得意としてきました。一方で、Figure AIは周囲の状況を理解しながら動くロボットを目指しています。

活用領域は、製造現場だけに限られません。物流現場での荷物の取り扱いや、家庭内での作業支援も視野に入れています。

特にFigure 03では、家庭環境での利用も意識されています。家庭環境は、物の配置や作業内容が変化しやすいため、将来的には多品種少量生産や物流現場などにも応用される可能性があります。

Figure AI製品の詳細解説

Figure AIは、ヒューマノイドロボットとして複数のモデルを発表してきました。本記事では、流れを理解しやすいように、Figure 01、Figure 02、Figure 03、Helixを取り上げます。なお、現在の公式製品ページではFigure 03、Helixが中心的に掲載されています。

Figure 01

Figure AIが初期に発表したヒューマノイドロボットです。同社の開発方針を示した、最初期のモデルといえます。

Figure 01では、人型ロボットを労働現場で使う構想が示されました。
特に、物流や倉庫などのサプライチェーン領域での活用が想定されていました。

項目内容
種別初期ヒューマノイドロボット
位置づけFigure AIの構想を示した初期モデル
主な特徴汎用人型ロボットの方向性を提示
想定用途物流、倉庫、サプライチェーン領域
開発段階初期開発・発表モデル

Figure 02

Figure AIが実際の製造現場で検証を進めたヒューマノイドロボットです。
職場での実利用を見据え、ハンドの器用さ、バッテリー配置、コンパクトな構造などが改善されたモデルとして紹介されています。

Figure 02が特に注目された理由は、BMWの工場で実証されたことです。
実際の製造現場で使われたことで、単なるデモ機ではなく、現場で検証されたヒューマノイドとして注目されました。

項目内容
種別第2世代ヒューマノイドロボット
位置づけ現場実証モデル
主な特徴視覚、ハンド、AI処理性能を強化
想定用途製造現場での部品投入、ピックアンドプレース
開発段階工場実証・現場検証段階

Figure 03

Figure 03は、現在のFigure AIを代表するモデルです。家庭内作業を自律的に行うモデルとして紹介されています。

Figure AIは、Figure 03を第3世代ヒューマノイドと説明しています。

項目内容
種別第3世代ヒューマノイドロボット
位置づけ現行主力モデル
主な特徴家庭、量産、実用化を意識した設計
想定用途家庭内作業、商用作業、将来的な産業用途
開発段階実用化・量産を見据えた段階

Helix

Helixは、Figure AIが開発するAIシステムです。ロボットが「見る・理解する・動く」ための中核技術です。

従来のロボットは、事前に決めた動作を繰り返すことが中心でした。一方で、Helixは状況に応じた動作を目指しています。

項目内容
種別ヒューマノイド向けAIシステム
位置づけFigure AIの中核技術
主な特徴視覚・言語・動作制御を統合
想定用途Figure本体の自律作業制御
開発段階継続開発中

Figure AIはなぜ注目されているのか

Figure AIはなぜ注目されているのか

ヒューマノイドロボットを実用段階へ近づけている

Figure AIが注目されている理由の一つは、ヒューマノイドロボットを実用段階へ近づけている点です。

これまでのヒューマノイドロボットは、歩行、会話、物を持つといったデモが中心でした。
しかしFigure AIは、製造現場や物流現場、家庭環境など、実際の作業を想定した開発を進めています。

特に最近では、冒頭で紹介したライブストリームも話題になりました。短時間のデモではなく、作業を継続する様子を見せたことで、ヒューマノイドロボットの評価軸が変わりつつあることを示しました。

Helixの効果

Figure AIが注目されているもう一つの理由は、Helixによってロボットの自律性を高めようとしている点です。

Helixは、視覚情報、言語理解、動作制御を統合するVLAモデルです。これにより、ロボットは周囲の状況を認識し、作業内容を理解しながら動作することを目指しています。

物の位置や形状が毎回変わる環境では、従来の固定プログラムだけでは対応が難しくなります。
HelixのようなAIが発展すれば、ロボットが状況に応じて把持方法や動作を調整できる可能性があります。

BMW工場での実証による現場活用の進行

Figure AIの実用性を示す事例として、BMW工場での実証があります。

Figure 02は、BMWの工場で部品投入作業などに使われました。この事例は、ヒューマノイドロボットが研究開発段階にとどまらず、実際の製造現場で検証され始めていることを示しています。

一方で、この事例だけで「すぐにすべての工場作業を置き換えられる」と考えるのは早計です。現場導入では、作業成功率、サイクルタイム、安全性、保守性、人の介入回数などを継続的に確認する必要があります。

Figure AIの現在地と今後の見通し

Figure AIの現在地と今後の見通し

現在、Figure AIの製品は、研究開発から現場実証へ進み、実運用量産を目指す段階にあります。Figure 03では、産業用途だけでなく、家庭や商用領域まで視野を広げています。

今後は、ロボット単体の性能だけでなく、量産体制作業成功率稼働時間保守性が評価されます。ヒューマノイドロボットは、「動けるか」から「継続して作業を任せられるか」へ評価軸が移りつつあります。

また、AI・ロボット分野では、米国を中心とする西側と、中国やロシアなどの東側との技術競争が強まっています。その中でFigure AIは、米国発のヒューマノイド企業として注目されています。

ただし、米国企業であることがすべてのリスクを解消するわけではありません。輸出管理、部品供給、データ管理、国際情勢の影響も、今後の普及を左右する要素になります。

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